《ススキノ首切断》死体を損壊する様子を両親に動画撮影させて…娘の凶行を「この世の地獄」と絶望した母親の「溺愛」という「虐待」

　昨年7月、札幌・ススキノのホテルで男性会社員が殺害され、その頭部が持ち去られるという凄惨な事件が起きた。その後、殺人などの疑いで逮捕されたのは、田村瑠奈被告(30歳)とその両親。先だって行われた母・浩子被告(61歳)の初公判では、瑠奈被告に完全に服従していた両親の様子が明らかになった。

　前編記事「「熟女系風俗にとっとと売れや」…！　母親が絶望した、サイコパス娘の「異常すぎる言動」」に引き続き、報じていく。

　「瑠奈被告は昨年7月1日から2日にかけて札幌市のラブホテルの浴室でAさんを殺害、首をのこぎりで切断して、修被告に送迎してもらい自宅に持ち帰った。その頭部は田村家の自宅の2階浴室から腐敗した状態で発見されました」(全国紙社会部記者、以下「」も)

　あまりにも異常な事件に、世間は震撼した。

　瑠奈被告は殺人と死体損壊、父親の修被告(60歳)は殺人幇助の疑いでそれぞれ起訴されているが、ふたりの公判開始期日は決まっていない。

　母親・浩子被告の初公判で明らかになったのは、親子関係というにはあまりにも歪んだ、瑠奈被告と両親との関係だった――。

　「冒頭陳述によると、家族の中では瑠奈被告が圧倒的な上位者、両親は奴隷扱いをされても叱ることはせず、『瑠奈ファースト』の親子関係が形成されていたとのことです。修被告は瑠奈被告が望めば、ゲームセンターやクラブなどまで車で送迎し、徹夜で付き合うこともあったそう」

　中学校のころから不登校を繰り返し、成人後も就職することなく、自宅で生活していた。

　凶悪事件などを長年取材しているジャーナリストの千葉春子氏は、次のように分析する。

　「小学生くらいまでは友達を家に呼んだり、瑠奈被告もごく普通の子どもだったそうです。自宅も現在のように彼女のもので溢れかえっておらず、整っていた。それは瑠奈被告がまだ『子ども』だったからでしょう。

　学校や社会に出れば理不尽なことや叱られる場面もたくさんあります。しかし自宅でやりたい放題、わがままに育てられた瑠奈被告は、そうした外の世界には耐えられなかった。そうした彼女の歪みの一端は、両親の過剰な溺愛からきていたのではないでしょうか。自分たちさえ我慢すればいい、そうやって娘と向き合わず、善悪を教えることができなかった。

　こうした両親の姿勢はある意味『虐待』ともいえるのではないでしょうか」

　瑠奈被告は2023年5月、クラブのイベントで被害男性と知り合った。ホテルに行き、そこでトラブルとなり、恨みを募らせていく。

　「瑠奈被告はナイフや手錠などを購入し、『絶対に見つけて仕返しする』『殺してやりたい』などと修被告に伝えていたそうです。浩子被告は事件前、被害男性に瑠奈被告と会わないように連絡を入れていたといいますが、断られていた。娘を守りたい、という気持ちは2つあったと思います。一つは男性から娘を守ること、もう一つは何をするかわからない娘に罪を犯させたくないという気持ちだったのではないでしょうか」(千葉氏)

　事件後、浩子被告が瑠奈被告の犯行を認識したのは7月3日ごろ。その後も普段通りの生活を続けていたという。

　「瑠奈被告は浩子被告に『おじさんの頭を持って帰ってきた』と伝え、浴室にあった被害者の頭部を見せたそうです。検察の冒頭陳述によると、瑠奈被告は刃物で被害者の頭部の皮膚をはぎ取るなどおぞましい行為を行っていた。死体を損壊している様子を動画で撮ってほしいと頼まれた浩子被告は恐怖を感じ、修被告に『撮影カメラマンするでしょ』と依頼。修被告が撮影したそうです」(前出・社会部記者、以下「」も)