「糖質ゼロ」のビールは炭水化物ゼロではない! 知っておくべき「太らない」商品の残酷な真実

AI要約

職場健診の結果の異常を正しく理解するための解説書からの抜粋。

糖質フリー製品の実際の糖質含有量や糖質の定義についての注意点。

糖質フリー製品は実際には砂糖などの甘味成分を減らしているだけであり、炭水化物ゼロではない。

「糖質ゼロ」のビールは炭水化物ゼロではない! 知っておくべき「太らない」商品の残酷な真実

 毎年1回は受けることが義務付けられている職場健診。健診結果の異常を示す「*」がついた数値には、実は気にしなくて良いものもあれば、今すぐに再検査を受けなければならないものもある。果たしてあなたは診断結果の本当の意味を理解しているだろうか。

 BMI・血圧・尿糖・眼底など項目別にその検査結果の正しい見方を解説した『健診結果の読み方』(永田宏著)より一部抜粋してお届けする。

 『健診結果の読み方』連載第18回

 『日本国民の6人に1人が糖尿病⁉...気になる人が注目すべき「HbA1c」とは何か』より続く

 糖質フリー・糖質オフや、糖質ゼロを謳ったビールが流行っています。最近は日本酒にも、同様の製品が出てきて、飲みたいが太りたくないというひとにとって、選択肢が拡がってきています。

 ただし「フリー」とか「ゼロ」といっても、本当に糖質が入っていないわけではありません。法律によって、飲料100ミリリットル当たり糖質が2.5グラム未満になっていれば「糖質フリー」や「糖質オフ」、0.5グラム未満なら「糖質ゼロ」と表示してよいことになっています。

 普通のビールや日本酒の糖質は100ミリリットル当たり3~3.5グラム程度ですから、「糖質フリー」「糖質オフ」はちょっと糖質が少なめのビールや日本酒ということになります。糖質にこだわるなら、やはり「糖質ゼロ」のほうがよさそうです。

 また「糖質」という言葉の意味が問題です。

 法律上の「糖質」とは、単糖類(ブドウ糖や果糖)と二糖類(砂糖や麦芽糖)に限定されています。もう少し分子が大きいオリゴ糖や、デンプンなどの炭水化物の制限はありません。単糖類や二糖類は甘味が強いですから、糖質フリーや糖質オフのものは「甘味を抑えた酒類」と思っておいたほうがいいでしょう。辛口が好きなひとには、いいかもしれませんが、決して「炭水化物ゼロ」ではないのです。