シニア層(高齢者)の約9割が災害情報をテレビで入手、他年代に比べ災害への備えは万全

AI要約

高齢者が災害情報を入手する手段や備えについての調査結果によると、テレビが主要な情報源であり、ICT・メディア・公的及び人伝の3つを組み合わせて情報を得ている高齢者が多いことが明らかになった。

高齢者は災害に対してしっかりとした備えをしており、ハザードマップの確認や避難所の認知、懐中電灯や水食料の準備をしている割合が高い。ただし、スマホ用モバイルバッテリーの準備は他の年代よりも低い。

高齢者は複数の分野から情報を入手しており、これが災害に対する備えの良さにつながっている。他の年代も複数の情報源を利用することが重要であり、減災につながる可能性がある。

シニア層(高齢者)の約9割が災害情報をテレビで入手、他年代に比べ災害への備えは万全

昨今、台風だけでなく大雨による災害も増えているが、世の中の人は災害情報をどのように入手しているのだろうか。モバイル社会研究所では、全国の15~79歳の男女を対象に、災害情報の入手手段や備えについてWebアンケートを実施した。すると、意外にも情報の入手や災害の備えに対し、65~79歳の高齢者の意識が高いことが判明した。詳しい調査結果をみていこう。

高齢者(65~79歳)が在宅中に大雨や台風などで被害が予想される場合、災害の発生場所や河川の状況、避難指示などについてどのような手段で入手するか調査したアンケートでは、「テレビ」と回答した人が断トツで多く8割を超える結果となった。続いて、「インターネットでのホームページ閲覧」「エリアメール、緊急速報メール」「防災無線やサイレン」となっているが、テレビに比べると半数以下となり、大きく引き離した結果となる。

とはいえ、テレビからの情報だけで済ませてはいないようだ。入手先をICT・メディア・公的及び人伝の3種類にわけて調査したところ、「ICTとメディアと公的・人伝」の3つを組み合わせている高齢者が最も多く45%。次いで、「ICTとメディア」21%、「メディアと公的・人伝」13%となっている。日頃から地域とのつながりやご近所づきあいを大事にしているからこその結果といえそうだ。

※「エリアメール」はNTTドコモの登録商標です。

では、災害への備えはどうだろうか。「ハザードマップの確認」を済ませている高齢者は9割を超え、「避難所の認知」や「懐中電灯」の準備ができている人も約8割。また「避難経路の決定」や「数日分の水・食料」の確保においても他年代を上回り、5割以上が備えを済ませている。唯一、高齢者が他の年代より下回ったのが「スマホ用モバイルバッテリー」の準備。スマホ使用にそこまで重きを置いていない結果といえる。

また、先述した災害情報の入手方法について、複数の分野から情報を入手している高齢者ほど、災害に対して備えている個数が多いという結果も出ている。

他の年代と比べても、高齢者は複数の分野から情報を入手する人の割合が最も多い。災害情報は入手する方法により、迅速性、広域性などメリットが異なる。若い年代もICTのみに頼らず、複数の分野の情報を組み合わせることで、減災につながるといえるのではないか。

出典元:【モバイル社会研究所】