バイクと軽自動車のいいとこどり!令和のスーパーカブを目指す一人乗りに特化した超小型EV車「mibot」

AI要約

KGモーターズが2025年に量産販売開始を目指して開発中の超小型EV車「mibot」が公開された。

「mibot」は一人乗り用で、短距離移動に特化し、車庫証明不要で狭いスペースにも駐車可能。

車重430kgの「mibot」は1.5円/1kmのエネルギー効率でランニングコスト80%以上削減可能。

バイクと軽自動車のいいとこどり!令和のスーパーカブを目指す一人乗りに特化した超小型EV車「mibot」

KGモーターズが2025年の量産販売開始に向けて開発中のオリジナル超小型モビリティ「mibot」がメディア向けに公開された。

「mibot」は一人乗り用で、短距離移動に特化した超小型EV車(規格は原付ミニカー)で、全長2,490mm、全幅1,130mm、全高1,465mm、最大積載量:45kg、航続距離は100km、最高速度は時速60km、充電はAC100V 5時間、価格は100万円。

一人乗りでサイズが小さく車庫証明も不要なので、これまで有効活用できなかった狭いスペースにも駐車できる。短距離利用に特化することで、バッテリーを小型化し、車重430kgと軽量でエネルギー効率の向上を実現した。

車内の装備も日常生活の中で最低限必要なものだけを入れるという考えで作られており、荷室の積載可能重量45kgは、地方でのニーズに合わせ18Lの灯油缶2缶が積める量を想定している。

原付ミニカー規格なので車検が不要で税金も安く、ファミリーバイク特約で任意保険の適用も可能。電気費用も1.5円/1kmとエネルギー効率が高いため、軽自動車と比較すると80%以上のランニングコストが削減できる。

「地方では公共交通機関が年々削減されており、過疎地域だけではなく、地方の数十万都市でも減り始めています。自由に移動をするのが困難になる時代が来るかもしれません。

我々のビジョンは小型モビリティで持続可能な移動を実現する未来です。誰もが安全に快適に手頃な価格で自由に移動できる世界を目指しmibotの開発を進めています。

地方においては1人1台の車社会になっていますが、国交省のデータによると、日本の車移動の約7割は毎日10Km未満で乗車人数が1人、高速道路はほぼ半分がほとんど利用していないという状況です。

車はコストもかかりますし、環境負荷も高い。そこで我々が考えたのが1人乗り短距離移動に特化した超高型車です。

我々の初期事業は2025年からのmibotの製造販売ですが、2027年以降は成長事業としてmibotの自動運転によるMaaS(Mobility as a Service=自家用車以外の公共交通を含めた全ての交通手段による移動をひとつにつなぐサービス)も手がけることで、『移動の最適化』を目指しています。

2024年問題はドライバー不足が大きく取り上げられていますが、我々が注目しているのは乗客の減少です。自動運転化することは重要ですが、大型車だとドライバー不足は解決できても維持コストは高く、その結果バスが1~2時間に1本となってしまい、利用者の利便性が損なわれてしまいます。

私たちの提案する小型車の自動運転は人が使わないときには動かさないという考え方です。必要ないときには動かさない、ユーザーが使いたいときだけ使う。自分のいる場所から行きたい場所へ直接行けるオンデマンド輸送を目指しています。

成長ビジネスとしてのMaaSは購入いただいたユーザーがオーナーになれるようなシェアリングの仕組みや、免許を持たない人でも自由に利用ができる自動運転を組み合わせて、一人乗りで維持コストが小さく、環境負荷も小さい、経済的であり持続可能な利用を目指しています

世の中を変える乗り物を造りたいと思ったときに大きな影響を受けたのが、ホンダのスーパーカブです。発売から60年以上経ち、生産累計台数1億台を超えている爆発的なヒット商品ですが、普遍的なデザインや耐久性、クラッチが当たり前の時代にスクーターとバイクの中間のような新しい乗り物を生み出しました。

超小型モビリティはバイクと軽自動車の中間の新しい乗り物で、スーパーカブのように社会に広く浸透させて、我々のミッションを実現したいと考えています」(KGモーターズ株式会社 代表取締役CEO 楠 一成氏)

mibotの構造の大きな特色が左右対称ボディ。フルモノコックボディを採用し、金型を全部対称にすることで、金型の数を減らしてコストを下げることができ、左右共通なので部品メーカーへの発注数も2倍にできるメリットもある。

ユーザーとして気になるのはやはり安全性。原付ミニカー規格で新たなモビリティを製造するうえで衝突試験の認証基準はないが、楠代表はプロジェクト立ち上げ当初から衝突試験の実施を決めていたという。

「様々な世代のユーザーにインタビューした結果、原付ミニカーとはいえ、実際には軽自動車のように使うので、安全性に関してはしっかりテストしてもらえないと怖いというご意見を多く頂いていました。小型モビリティを普及させていく上で、安全性は絶対無視するわけにはいかないと当初から考えていました。

小型モビリティにおいて衝突安全性を担保するというのは難易度の高いミッションです。車体開発リーダーである久保(昌之)さん(下記画像右)をはじめ、外部の協力先企業など、現場の技術者のみなさんは大変苦労されたと思います。

膨大な回数のシミュレーションを繰り返して、たどりついた衝突試験だったので、試験当日の技術者のみなさんの緊張感は相当なものだったと思います。

久保さんも試験当日、ものすごくそわそわそわして、目がうつろになっていて(笑)、ものすごい緊張感が伝わってきました。YouTubeで動画を公開しているので、ぜひ見てください」(楠氏)