人力で波を起こす魚津水族館、再びバズる 造波装置は故障のまま「いっそ、直さない方がいいのかも」

AI要約

魚津水族館の波の水槽の造波装置が故障し、スタッフが人力で波を起こす貼り紙が話題になっている。

装置は40年間使用されたが、故障してから3年、修理や交換の結論は出ていない。

最近は人力で波を起こすイベントが行われているが、修理をしないでこのままにする意見もある。

人力で波を起こす魚津水族館、再びバズる 造波装置は故障のまま「いっそ、直さない方がいいのかも」

 「時々スタッフが人力で波を起こします」。今年4月、造波装置が故障した水槽に貼ってあるそんな貼り紙がSNS上で注目を集めた魚津水族館(富山県)。先日、同じ貼り紙が再び話題になりました。その後、装置がどうなったのかを取材しました。

 北陸本線の全線開通を記念して1913年に開館した魚津水族館。

 1981年から使われている現在の建物は3代目で、富山県や富山湾の水生生物を中心に展示しています。

 「波の水槽」では、マアジ、クロダイ、キジハタなど魚津沿岸で獲れる魚を飼育。

 本来は10分ごとに波が起こり、波の中で魚たちがどんな風に動くのかを観察できる水槽です。

 そんな水槽には、こんな貼り紙がしてあります。

 「40年間、波を起こし続けてきた造波装置がついに寿命を迎え故障しました……当面の間、波が起きませんがご了承ください」「時々スタッフが人力で波を起こします」

 3年ほど前に故障してから、ずっと貼ってあるというこの文章。

 今年のエイプリルフールにSNS上で話題となり、テレビやネットメディアなどで取り上げられました。

 そして先日、「どうやって起こすのか気になる」「脳筋過ぎて大好き」と再び話題になりました。

 4月に話題になった際、取材に対して教育普及担当の学芸員・不破光大さんはこう話していました。

 「ただ原状に戻すより、来館者がボタンを押したら波が起こるようにするなど、新しいものに作り替えた方が良いのではないかという話も出て、決まらないまま今に至っています」

 貼り紙をしたままということは、取り換えや修理の結論が出ていないということでしょうか?

 「他に優先順位の高い修理もあるので、そのままになっています。この水槽で飼育している生き物にとって、波の有無はほとんど影響ないですから」

 最近では、人力で波を起こすのはイベントがある時ぐらいとのこと。

 バケツのフタを活用したかき混ぜ棒のようなものを飼育員が作って、子どもたちと一緒に波を起こしているそうです。

 「こんなにしょっちゅう話題になるのであれば、いっそ直さずこのままにしておいた方がいいのではという意見も出ています」

 つい先日は、ウマヅラハギが水中にある輪っかをくぐり抜ける動画も話題になったばかりの魚津水族館。

 立て続けに注目を集めていることについて、不破さんはこう話します。

 「外見は古くさい水族館ですが、知られていないだけで魅力がいっぱいあります。ぜひ探しに来てください」