日立とNTTBP、AIで介護施設入居者の感情変化を予測する実証実験

AI要約

日立製作所(日立)は、エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)と共同で、AIを活用して介護施設入居者の感情変化の予兆を検知する実証実験を実施した。

実験では、映像と音声から感情を分析し、感情変化の要因を分析した結果、AIによる感情分析は実際の入居者の感情と約75%の精度で一致し、AI活用の有効性が確認された。

介護現場での要介護者の感情理解の重要性、サービス向上、スタッフ負担軽減の必要性が強調されており、感情変化の予兆検知サービスの事業化やサービス利用環境整備が進められる予定。

日立とNTTBP、AIで介護施設入居者の感情変化を予測する実証実験

 日立製作所(日立)は、エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)と共同で、AIを活用して介護施設入居者の感情変化の予兆を検知する実証実験を実施したと発表した。

 実験では、テルウェル東日本が運営する介護施設で、入居者の居室や食堂での様子を6日間カメラで撮影。AIが映像と音声から感情を分析し、7種類の感情(怒り、悲嘆、恐れ、平静、嫌悪、幸福、驚き)のうち、最も割合が大きかった感情に分類した。さらに、入居者のプロファイリング情報、介護記録、アンケート結果と組み合わせ、感情変化の要因を分析した。その結果、AIによる感情分析は実際の入居者の感情と約75%の精度で一致し、AI活用の有効性が確認された。

 介護現場では、要介護者の感情を正しく理解できないことが、適切なサポートやコミュニケーションの不足につながることがある。それが高じると、要介護者の不快感やストレス、安心安全の確保への支障、介護スタッフの負担増加などを引き起こす。そのため、要介護者の感情や状況に応じたケア提供、サービス品質向上、スタッフの負担軽減・効率化が急務となっている。

 両社は今後、感情変化の予兆検知サービスの事業化を推進する。また、介護事業者との連携拡大を通じて、サービスの利用環境整備も進めるとしている。