80代の母親が転倒して入院…空き家になった「タワマン実家」の「現在の資産価値」に50代女性が驚愕した

AI要約

父親が相続対策を行い、自宅の住み替えを提案された母親の事例を通じて、相続に関する疑問を解説。

母親が入院し、介護を必要とする状況になった際、介護付き高齢者住宅への移住を検討する過程を述べる。

相続税の申告が必要な状況であり、相続財産や各相続人の状況を考慮して、相続税の問題に対処する必要がある。

80代の母親が転倒して入院…空き家になった「タワマン実家」の「現在の資産価値」に50代女性が驚愕した

高齢になった親の病気や入院……。実家じまいや住み替えを考えるなかで、考慮に入れておかなければならないのは後々の相続の問題でしょう。相続をコーディネートする会社・夢相続代表の曽根恵子さんが、相談者Kさんの事例から相続に関する疑問を紐解いていきます。

Kさん(50代・女性)から母親(80代)の相続の相談がありました。15年前に父親が相続対策をしたいと相談に来られたことがきっかけです。

当時、父親は仕事をリタイヤした70代。自宅の評価が高く、退職金などの金融資産もあったため、数千万円以上の相続税がかかると試算されました。そこで、当社では、自宅の住替えをご提案したのです。

母親と二人暮らしには広くなった戸建て住宅を売却して、駅近の2LDKのマンションに住み替えられ、ワンルームマンションも2室購入することができたのです。

その数年後に父親は亡くなりましたが、母親の配偶者税額軽減の特例を活かし、その範囲内で相続できましたので、申告は必要でしたが、相続税の納税はしなくてもよかったのでした。

父親が亡くなった後、母親は自宅マンションでひとり暮らしをしてきました。とても元気ではありましたが、80代後半になり、自宅内で転倒してしまい、入院、手術となり、現在もリハビリの最中だと言います。

病院の医師から言われていることは、「まだ当分、リハビリを続ける必要があり、その間は車椅子生活になる可能性が高い。自宅での一人暮らしはできないこともある」ということでした。

Kさんは長女で、妹が2人、弟が1人いますが、みな結婚して実家を離れて生活していますので、母親の介護のための同居はできそうにありません。これからの1人暮らしの不安を考えると、介護をしてもらえる介護付き高齢者住宅に住んでもらうのが安心だといいます。

母親はずっと専業主婦でしたので、現在の財産は10年前に亡くなった父親から相続したものです。自宅マンションと賃貸マンションが2室、預金が3000万円あり、評価の総額は8500万円となりました。相続人は4人で基礎控除は5400万円ですので、相続税の申告が必要になり、300万円程の相続税がかかる試算となりました。

預金もあるので、相続税の納税には問題はありません。