Xがユーザーの投稿をAIチャットボット「Grok」の訓練に使用開始
イーロン・マスクが支配するX(旧ツイッター)が、人工知能(AI)アシスタントのGrokのトレーニングにユーザーの投稿を利用する許可設定をデフォルトでオンにしていたことが判明。
ユーザーは設定をオプトアウトできるが、モバイル版では難しいとの指摘も。
Xは設定変更を認め、すべてのユーザーがコントロール可能に。Grokはプレミアムユーザー向け。
イーロン・マスクが支配するX(旧ツイッター)が密かに、人工知能(AI)アシスタントのGrokのトレーニングにユーザーの投稿を利用する許可設定をデフォルトでオンにしていたことが判明した。
自分の投稿をGrokのトレーニングに使用されたくないユーザーは、ウェブ版のXの画面左にある「設定とプライバシー」から「プライバシーと安全」を開き、「データ共有とカスタマイズ」の配下に表示されるGrokのチェックボックスをクリックすれば、この設定をオプトアウト(拒否)できる。
ユーザーからの報告によると、この設定メニューは7月25日頃に現れた模様で、モバイル版のXでは、この設定を無効にできないと指摘する声も上がっている。
Xは、26日にこの変更を認め、「すべてのユーザーは、自分の投稿がGrokのトレーニングに使用されるかどうかをコントロールできる」と発表した。
この設定をオプトイン(許可)したユーザーは、Grokのトレーニングに自分の投稿を使用することを許可し、AIアシスタントを使用する際に生成されるインタラクションや入力、結果からもデータが取得される。ただし、Grokが利用できるのはXのプレミアムユーザーに限定されている。
マスクは、昨年3月にAIスタートアップのxAIを設立し、人工知能関連の取り組みを進めている。XのAIアシスタントであるGrokは、マスクがWoke(ウォーク)と呼んで批判するOpenAIのChatGPTやグーグルのGeminiに対抗するプロダクトだ。
マスクは今年初めにGrokをオープンソース化し、一般ユーザーがそのソースコードを修正し、改良を加えられるようにした。GrokはXの「プレミアム」および「プレミアムプラス」のユーザーが利用可能で、月額費用はそれぞれ、7ドル(日本では980円)と14ドル(同1960円)とされている。