YouTube、広告ブロック対策で“消すのが困難”な強硬手段を検討か 海外ユーザーから不具合寄せられる

AI要約

YouTubeにおける「広告ブロック」対策の強化に関する最新動向が注目されている。

ユーザーからの報告によると、YouTubeが広告を動画ストリームに直接挿入する新たな試行が行われているという。この対策にはブラウザの拡張機能をも回避する仕組みが含まれている可能性がある。

広告ブロックを強化する一方でYouTubeは、広告をブロックするにはYouTube Premiumへの加入を促す方針を打ち出しており、これに対してユーザーの間では賛否両論が巻き起こっている。

YouTube、広告ブロック対策で“消すのが困難”な強硬手段を検討か 海外ユーザーから不具合寄せられる

近年活発になっているYouTubeにおける「広告ブロック」対策の強化をめぐり、新たな局面として「ブロック回避が極めて困難」な広告配信を試験的に行っている可能性が海外ユーザーから指摘されている。

直近数日内に海外掲示板「Reddit」にあるユーザーから寄せられた投稿では、「Youtubeが動画ストリームに直接広告を挿入し始めたようだ」とのテキストとともに、スクリーンショットを添付。画像にはYouTubeの動画プレイヤーが写っているものの、動画は再生されておらず、ロード中のスピナーが回っている。

投稿によれば、ブラウザの拡張機能を用いてコンテンツブロックを行っているとして「拡張機能側の問題や偶然起こった」可能性も指摘される一方、同様の事象を報告する投稿も少なからず見受けられ、「広告を6秒間見つめるくらいなら、黒い虚空を見つめたほうがましだ」などと揶揄されていた。

この現象が話題になった背景にはYouTube上での広告ブロックの規制強化が挙げられる。振り返ってみれば、YouTubeは2023年よりブロックを検出した際に「警告メッセージ」や「3ストライク制(=3回警告を無視したら制限)」を限定的に導入したりと、急激に規制しはじめている。

ただ、これらの機能が盛り込まれると同時に、ブロック機能を提供するソフトウェア側も回避策を実装、イタチごっこ状態が続いていた。Googleもこうした状況は看過できないと考えているのか、直近では一部技術者より「さらに強硬的な対策」を行う予定として、サーバーサイドでの広告配信に取り組んでいる可能性が示唆されていた。

ここでのサーバーサイドの広告配信とは、YouTubeのサーバー内部であらかじめ本編動画に広告映像を挿入しておいて、直接ストリーミングする方式だと予想されており、これを採用することで「広告かどうか」の判定が困難になり、クライアント(ブラウザ)での遮断が極めて難しくなる可能性がある。この取り組は、昨月以前からも実装される可能性が指摘されていたため、今回の報告もこれが関連するのではとの推測が際立った。

YouTubeほ一連の動きについて、Googleは過去に警告メッセージ内で「広告ブロッカーの利用は YouTubeの利用規約で認められていません」と明示し強硬姿勢を見せたほか、有料サービスであるYouTube Premiumへの加入を促進する文言も用意されていた。

YouTube Premiumは広告なしで動画視聴ができるほか、オフライン再生やバックグラウンド再生などの機能を提供している一方で、月額プランが約1,500円と他所と比べて高額であること、以前に広告削除機能のみが使えた「Lite」プランを廃止したことなどを背景に、移行に抵抗感を示すユーザーも多い。

ただ、コンテンツブロックを行うことは広告料が動画投稿者に配分されず「タダ見」だとする声も少なくなく、ユーザー、広告主、コンテンツクリエイター、そしてYouTube自身の間でどうバランスをとっていくかは引き続きでの課題となっている。