「より良い広告体験を提供するのがエージェンシー、あるいは掲載メディアすべての責務だ」: オプト ソリューション営業本部兼広告戦略・コミュニケーション本部執行役員 堤洋祐 氏

AI要約

デジタル市場の再考を促す、DIGIDAY[日本版]のインタビューシリーズ「REFRAME─デジタルの再考─」。株式会社オプトの堤洋祐氏によるデジタル広告の課題についてのインタビューを通じて、広告主間の異なる価値観や課題、そして表面的なKPIに囚われずに顧客の利益に繋がる解決策について明らかにしている。

堤氏は、広告主のブランディングとパフォーマンスの価値観の違いを指摘し、一方的な考え押し付けでは問題が解決しないことを述べている。そして、広告業界においてプライバシーとデータ保護、AI技術の進化、アドフラウドやブランドセーフティなどの課題が今後ますます注目されるだろうと予測している。

デジタル広告の信頼性や透明性が重要視されていく中で、大規模イベントの増加に伴い広告詐欺やフェイクニュースなどの問題も懸念されている。このような状況下で、広告業界はより高度な対策とイノベーションが求められると堤氏は警鐘を鳴らしている。

デジタル市場の再考を促す、DIGIDAY[日本版]のインタビューシリーズ「REFRAME─デジタルの再考─」。今回は、株式会社オプトで広告戦略・コミュニケーション本部執行役員を務める堤洋祐氏に、今日におけるデジタル広告の課題を聞いた。

堤氏は「ブランディングを主体とした広告主とパフォーマンスを主体とした広告主では、定めたKPIによって大きく価値観が違う」としたうえで、「ニーズや課題感も違うため、一方的に片方の考えを押し付けても状況は変わらない」と分析する。

では、解決策はどこにあるのか? 「表面的なKPIに囚われていては、最終的に顧客の利益に繋がらない可能性もある」と説く同氏に、昨今のデジタル広告の現状とエージェンシー視点での課題の捉え方を聞いた。

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堤 洋祐/株式会社オプト ソリューション営業本部兼広告戦略・コミュニケーション本部執行役員。2007年㈱オプトに入社。金融業界を中心とした営業を経て、2012年に営業部長。その後、不動産・エンタメ・旅行業界の営業部長、ブランド領域の営業、クリエイティブ、コミュニケーションデザインの部長を経て2021年1月に営業統括領域の執行役員就任。2024年4月より現職。

前提として、プライバシーとデータ保護の観点がより注視されることになるだろう。7月22日にGoogleは「ChromeからサードパーティCookieを廃止することを断念した」と発表したが、プライバシー保護強化の流れは既定路線だ。一方で、AIの技術革新にも注目しなければいけない。我々が想像している以上のスピードで、クリエイティブの作成や広告配信、あるいは日々の業務にAIを活用するシーンが増えている。

「プライバシーとデータ保護」、そして「AI」。この2つのキーワードと表裏一体となっているのが、デジタル広告におけるアドフラウドやブランドセーフティの問題だ。広告の信頼性や透明性といった視点が今後より注目されていく。ことしはオリンピックや米国の大統領選挙など、大きなイベントが控えている。コンテンツが増えるタイミングで、広告詐欺やフェイクニュースなどが増えるのは間違いない。