MetaのテキストSNS「Threads」が1周年、1年間のアップデートを振り返る

AI要約

MetaのテキストSNS「Threads」が、1周年を迎えた。開発経緯や機能アップデート、利用状況などが紹介されている。

Threadsの1年間を振り返り、ユーザー数や機能改善、地域ごとの利用傾向などが示されている。

アーティストたちのThreads利用シーンについても紹介され、他のSNSとの違いや使い方の特徴が述べられている。

MetaのテキストSNS「Threads」が1周年、1年間のアップデートを振り返る

 MetaのテキストSNS「Threads」が、7月5日に1周年を迎えた。

 全世界の月間アクティブ利用者数が毎月1.5億を超える利用がある「Threads」が、リリースから1年でどのような機能アップデートがなされてきたか? また、「Threads」を普段から利用するユーザーは、どのような使い方をしているのか?

■ Threadsの1年間

 Facebook Japanの山谷 道裕氏は「公開から5日間で1億ユーザーを達成できた。Instagramとの連携も理由の1つだが、1億ユーザーに達するスピードは、色々なアプリの中でも早い部類。Instagramも1億ユーザー達成まで2~3年かかっている」と、登場から注目度が高いサービスだったとThreads登場当時を振り返る。

 Threadsを開発する上では「誰の発言にも価値があり、ユーザーが自分の考えやアイデアを気軽にシェアできる場所を目指す」というビジョンがあったといい、このビジョンにあわせてアルゴリズムの改善や機能の開発実装が進められた。あわせて誹謗中傷や望まないコミュニケーションを防ぐ機能なども進められている。

 リリース当初は、“すごく限られた機能だけ”でのスタートだったという。山谷氏は、この理由を「それぞれの機能がユーザーに本当に必要なのか? 誹謗中傷を誘発しないか? などを一つ一つ慎重に検討した上でテスト公開していく手段を取った」と説明する。

 現在では、月間アクティブユーザー数が全世界で1億7500万ユーザー、うち、テキストだけの投稿が63%、画像を含む投稿が25%となっている。ハッシュタグの機能に相当するトピックの数は累計で5000万作られており、絵文字を活用した投稿も盛んだという。

 また、日本が含まれるアジア太平洋地域は、グローバルでも最もアクティブにThreadsが利用されている地域だといい、日本でもユーザーベースが継続して成長していることを山谷氏も実感していると話す。

 日本では、写真投稿が多く、トピックをつけた投稿が多い一方、台湾やインドでは引用を使った投稿の利用が多く、インドでは、メンションや動画を使った投稿が多いという。たとえば、日本ではファッションに関する投稿が見受けられる一方、台湾では芸能人やアーティストがクリエイティブなコンテンツを発信するために使われており、アーティストとファンが交流する文化がThreadsで生まれつつあるとしている。

■ さまざまな機能とアップデート

 Threadsでは、国や地域の文化にあわせたアニメーション機能なども備えており、単純なテキストSNSを超える機能が搭載されている。山谷氏によると「ユーザーがタイムリーに情報を発見できる」や「安心して会話を楽しめるフレンドリーな場所作りと維持」、「クリエイターに価値を提供する」の3点に注力して機能開発を進めてきたと説明。

 たとえば、2023年11月に日本でも提供された検索機能やトピック機能は、ユーザーが自分の興味がある分野やコミュニティの情報を探しやすくなる機能として開発。デスクトップ版Threadsでは、複数のタイムラインを1つの画面で見られるようになっており、より情報が見つけやすくなる機能の1つだという。このほか、NBAのスコアなども確認でき、これらは注力領域の1つめ「ユーザーがタイムリーに情報を発見できる」に関わる機能に分類できる。

 「安心して会話を楽しめるフレンドリーな場所作りと維持」に注力した機能として山谷氏はGIF投稿機能やアンケート(投票)機能を挙げた。どちらも、会話を促進するための機能で、比較的ポジティブなトーンの会話が続いていると話す。安心安全な場所の維持に向けての取り組みとしては、投稿に返信/引用できるユーザーを制限する機能や、非表示ワード機能、ユーザーのブロック機能などを備えている。

 3つめの「クリエイターに価値を提供する」機能として、フェディバースへの対応を挙げる。世界各地のサードパーティが運営するソーシャルネットワークを相互に接続する取り組みで、たとえば別のSNSからThreadsの投稿に返信できたり引用できたりするようになるという。これにより、複数のサービスにコンテンツを投稿するクリエイターや企業がより便利に利用できるようになると山谷氏は説明。企業アカウントとのタイアップ機能なども備えているという。

 なお、今回のリリース1周年を記念して、関連する投稿にアニメーションで演出される機能や、プロフィール写真にハッピーハットのイラストが付けられる機能が提供されている。

■ アーティストはどうThreadを使っている?

 後半では、俳優の中田クルミとビューティークリエイターのたけたろうが登場。

 日頃からアクティブに利用するThreadsの利用シーンについて、中田は「欲しいものをリスト化して投稿し、物欲を一旦シェアして冷静になるみたいな使い方や、Instagramのストーリーのように日記のように使っている」、たけたろうは「感情のはけ口のツールだと思っている。Instagramは世間一般的にキラキラしてて楽しいものを投稿する場だと思っている。Threadsは自分の中の投稿するハードルが低く、ネガティブな感情も含めてずっとつぶやいている」とコメント。どちらも、Instagramよりも投稿するハードルが低いという。

 ほかのSNSとの違いについて中田は「ThreadsはInstagram寄り。X(旧Twitter)よりネガティブコンテンツが少ない」と指摘。XとThreadsで投稿する内容を分けているという。一方たけたろうは「Threadsは良くも悪くも情報が流れてこないのがすごく好き」とコメント。普段は多くのSNSでのPR案件を手がけているといい「Threadsでビジネスをする気がないから、暖かくもあり、適当で良い環境で、気兼ねなくつぶやいたり、メッセージを通じて相手の感情がわかるツール」という。