NATOの対ロシア防衛計画、35─50個旅団が必要に=軍事筋

AI要約

北大西洋条約機構(NATO)がロシアからの攻撃を想定した新たな防衛計画を完全に実行に移すためには追加で35-50個の旅団が必要とされる見通しである。

計画実行には、ドイツを含むNATO加盟国が防空能力を4倍にする必要があることが指摘されている。

NATOは具体的な軍事上の要件を定め、加盟国に直面する脅威に対処し、抑止力を強化するとしている。

NATOの対ロシア防衛計画、35─50個旅団が必要に=軍事筋

Sabine Siebold

[ワシントン 8日 ロイター] - 軍事筋が匿名を条件にロイターに明らかにしたこところによると、ロシアからの攻撃を想定した北大西洋条約機構(NATO)の新たな防衛計画を完全に実行に移すには35─50個の旅団が追加で必要になる見通し。

1つの旅団は3000─7000人の兵員で構成されるため、35─50個の旅団の追加はNATOにとって大きな課題となる。軍事筋はこれ以上の詳細を明らかにしなかった。

また、ある安全保障関係者によると、この計画を実行に移す場合、ドイツだけでも防空能力を4倍にする必要がある。

ロシアのウクライナ侵攻を受け、NATOが現行体制の大掛かりな見直しを迫られていることが浮き彫りとなった。

NATOは昨年、リトアニアのビリニュスで開催した首脳会議で約30年ぶりとなる大規模な防衛計画に合意。その後、合意内容を具体的な軍事上の要件に落とし込む作業が続けられており、今週ワシントンで開くNATO首脳会議で最新情報が報告される予定。

NATO当局者はコメント要請に対し「防衛に必要な兵力と兵器の詳細な要件」が特定されたとし「防空・ミサイル防衛、長距離兵器、後方支援、大規模な陸上機動部隊などが最優先事項だ」と述べた。

さらに「計画の実行に必要な部隊を編成し、われわれが直面する脅威に対応するため、NATOは今後、加盟国に対し、より厳しい能力目標を設定することになるだろう。われわれの抑止力が強力であり、今後も強力であり続けると確信している」と語った。

NATOの加盟国が35─50個旅団を編成する兵力をどのように調達するかは不明。他の部隊からの移動、新兵の募集、もしくはその組み合わせを検討する可能性がある。