「出産前に“ご迷惑をおかけします”ってクッキー配る世の中って」ハイヒール・リンゴ 不妊治療を卒業し12年…今の心境語る

AI要約

リンゴさんは15年間にわたる不妊治療を経験し、その中で周囲からのプレッシャーやデリケートな言葉に向き合いながら、前向きな考え方を模索してきた。

他者の期待や社会のマイナスイメージにとらわれず、個々の立場や状況に応じて、不妊治療や妊活に取り組む姿勢が重要であると語る。

妊娠や出産に関するトピックにはデリケートな取り扱いが求められるが、時には配慮とは異なるアプローチも必要であり、一人一人の選択や考え方を尊重すべきだとの考えを示す。

「出産前に“ご迷惑をおかけします”ってクッキー配る世の中って」ハイヒール・リンゴ 不妊治療を卒業し12年…今の心境語る

35歳から50歳まで、実に15年間不妊治療を続けたというお笑いコンビ・ハイヒールのリンゴさん。「不妊治療が日常になり、手放すきっかけを見失った」時期もあったそう。卒業して12年経った今、感じていることをお聞きしました。(全4回中の4回)

■不妊治療や妊活がデリケートに扱われすぎているかも

── リンゴさんは不妊治療のために休業していた時期もあったそうですね。治療のためには仕事はセーブしたほうがいいと判断されたのでしょうか?

リンゴさん:私の仕事の場合はそういう選択をしたけれど、一概に仕事を休んで治療したほうがいいとはいえないですね。不妊治療って、人によってすべてのチョイスが違ってくるので、一般論に当てはめること自体が難しいと思います。その人の性格もあるし、仕事の内容、夫婦関係や収入によっても変わるでしょうし。

── 不妊治療がつらいと感じるのには、周囲からの「子どもはまだ?」という期待も大きいと思います。そのようなプレッシャーとはどのように向き合えばいいでしょう。

リンゴさん:そういうとき、考え方がふたつあると思うんです。たとえば義母からそう言われたとしたら、「お義母さんは私たちに子どもができないことを気にしているんだ」って感じる人もいるだろうし、「お義母さんは私たちのことを心配してくれているんだ」ととらえることもできる。不妊治療とか妊活って、メディアやSNSでもとかくマイナス面がフィーチャーされやすいけれど、もなにもかも悪いほうに考えなくてもいいんじゃないかなって思うんですよ。

── 妊娠や出産という話題自体、かなりデリケートに扱われる傾向がありますよね。

リンゴさん:少し前に、これから出産・育児休暇を取る女性が「産休をいただきます。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします」と描かれたクッキーを配ったというエピソードが話題になりました。でも私、そういうのはどっちも正解だと思うんです。そういった配慮自体は悪ではないけれど、本当に必要なのか?とも思うし。たしかに不愉快に思う人はいるかもしれないけれど、「ポーンと産んで元気に戻っておいで」って快く送り出す人もいる。私がそうだから。だからそもそも、産休クッキーの賛否を万人に問うこと自体がナンセンスですよ。みんなそれぞれの立場があるんですから。