『キャプテン翼』作者・高橋陽一、漫画連載終了で生活リズムに変化 アシスタントおらず1人で執筆環境「寂しい」

AI要約

漫画家・高橋陽一氏と元サッカー日本代表の稲本潤一が『キャプテン翼』原画展のオープニングに登場。

展示では『キャプテン翼』の軌跡や連載終了の背景、今後の展開について語られる。

高橋氏は漫画連載終了後も制作を続けつつ、新たな形式で『キャプテン翼』の物語を残すことを発表。

連載終了の理由や今後の展望について高橋氏が説明し、40年以上の物語をすべて漫画化することが現実的でないため、新しい形式での制作を選択。

引退はしないがセミリタイア状態になるかもしれないが、創作活動は継続予定。

高橋陽一氏が連載終了後も『キャプテン翼』の物語を続ける新たな形式での制作を決めた理由。

『キャプテン翼』作者・高橋陽一、漫画連載終了で生活リズムに変化 アシスタントおらず1人で執筆環境「寂しい」

 『キャプテン翼』などで知られる漫画家・高橋陽一氏(63)と元サッカー日本代表の稲本潤一(44)が23日、都内で行われた原画展『キャプテン翼原画展 ~FINAL そして未来へ!』オープニングセレモニーイベントに登場した。

 同展は、4月に43年の連載が終了した『キャプテン翼』の軌跡を振り返るもので、連載開始から終了にいたるまでのカラー原画や漫画原稿など150点以上が公開されるほか、未公開ネーム原稿や作者・高橋氏のコレクションなどが展示されている

 現在、『キャプテン翼』シリーズは、本日23日よりネーム連載『キャプテン翼 ライジングサン FINALS』がWEBサイト「キャプテン翼WORLD」にてスタート。高橋氏の体力の衰えや執筆環境の変化により、漫画を描くことが困難になってきたことが理由で、漫画連載が4月に終了しており、今後は鉛筆描きの「ネーム形式」で週刊連載される。

 漫画連載終了の周囲の反響について高橋氏は「自分の周りだと、みなさん納得する形だったので、今回の判断は間違っていないと思っています」と報告。

 現在の生活リズムは「これからはネームという形で、鉛筆書きで同じように描いています。逆にペン入れをしなくなったので、たまにはペンをもって書きたいなと思っています。アシスタントがいなくなったので、ちょっと寂しい気持ちです」と伝えた。

 なお、漫画連載の終了理由について作者・高橋氏は、体力の衰えや執筆環境の変化により、漫画を描くことが困難になってきたとし、「ここ数年、この先の物語をいったいどこまで描けるのか、ずっと考えていました。そして今回、最後まで連載にこだわり体力の限界まで“漫画”を描き続けるよりも、連載をやめ『キャプテン翼』の最終回までの“物語”を残す決断をしました」とネーム形式での連載を決めたと説明。

 「今、頭の中には『キャプテン翼』の一応の目安の最終回までの構想があります。ですが計算すると、この構想をすべて漫画化するにはこの先40年以上かかってしまうかもしれません。それを実現させるのは現実的ではないと感じた一方、たとえばネーム(漫画制作の元となる絵コンテのようなもの)などの形で“物語”を残すことだけに集中すればできるかもしれない、と思いつきました」。

 まだ構想がある今後の物語をすべて漫画化すると40年以上かかることから、ペン入れなし、トーンも貼られていない状態のネームの形で制作を継続し、「漫画家は引退しますが、絵を描くこと、ストーリーを考えることはまだ好きなことなので、それらはこれからも続けていくつもりです。もしかしたらセミリタイア的な感じになってしまうかもしれませんが、創作活動は続けていくつもりです」と伝えていた。