巨大地震警戒で沿岸住民避難 厳戒期間1週間は「科学」と「社会」のバランスで決定

AI要約

南海トラフ巨大地震の臨時情報による「巨大地震警戒」の対応について、避難や警戒レベルの上げ方、そして警戒期間の運用方法が明記されている。

巨大地震警戒と巨大地震注意の違いや対応方法について説明されており、住民への避難や警戒レベルの要求が具体的に示されている。

南海トラフ地震防災対策推進地域における臨時情報の認知度の低さに関する調査結果も示されている。

巨大地震警戒で沿岸住民避難 厳戒期間1週間は「科学」と「社会」のバランスで決定

南海トラフ巨大地震の臨時情報で「巨大地震警戒」が発表されると、津波到達までの時間が短い被害想定域では住民の避難など一定の防災対応が取られる。厳戒期間は社会的損失の許容範囲を考慮し、基本的に1週間まで。ただ、過去には約32時間後に起きたこともあれば、約2年後に起きたこともある。経過後に「即解除」というわけにはいかなさそうだ。

巨大地震警戒発表時の対応は、地震発生後では明らかに避難できない沿岸住民は避難する▽発生後では避難できない可能性がある地域は、高齢者など要配慮者は避難しそれ以外は自主判断▽発生後の避難が可能な地域の住民は地震への備えを再確認する-とされる。

一方、巨大地震注意の場合は、避難までは求めず日頃よりも警戒レベルを上げることを求めている。家具の固定、家族との安否確認手段、避難場所や経路、備蓄の確認などが挙げられる。

一部のケースを除き、どちらも最も警戒を必要とする期間は1週間で、段階的に警戒レベルを下げていく。これは住民アンケートなどを基に被害低減効果と避難生活の継続による社会的損失とのバランスを考えて決まった対応で、科学的根拠はない。

一方、臨時情報について、太平洋沿岸部が広く指定されている南海トラフ地震防災対策推進地域での認知度は高くない。内閣府が昨年7~10月に行った調査では、推進地域の住民で臨時情報を「知っている」と回答したのは約3割にとどまった。(市岡豊大)