「株高は今年11月がピーク」→専門家の予測に「なるほど」と膝を打ちたくなるワケ

AI要約

老後資金を増やすための方法や、投資を活用して資産を増やすことの重要性、そして投資のリスク管理について解説されています。

投資をする際には為替リスクに注意し、投資先を国際的に分散させることが大切だと説明されています。

相場の変動や株価の上昇に備え、しっかりとした投資戦略を持つことが重要であることが述べられています。

「株高は今年11月がピーク」→専門家の予測に「なるほど」と膝を打ちたくなるワケ

 今の時代、多くの人にとって、安心した老後生活には年金だけでは不安という人が多いのではないでしょうか。そこで新NISAなど投資を活用して、積極的にお金を増やしていこうという動きになっていると思います。老後資金を計画的に増やしていくための方法、そして増やした資産寿命を少しでも延ばしていく方法はあるのでしょうか。人生100年時代、「何を」「どう」投資するのが賢いか?生島ヒロシさんと岩本さゆみさんの著書『日本経済 本当はどうなってる?』(青春出版社)から、お答えします。

● “日本人投資家”が泣きを見る共通点

 岩本 加齢を考えた場合、積極的に運用ができるのは75~80歳前後までではないでしょうか。取引の際のパスワードを記憶する、振込の作業をするにも、そもそも通帳などの保管から始まり、年とともにどうしても心もとなくなることは多くなるかと思います。

 もちろん個人差はあるかとは思いますが、75歳を目途に積極的な運用はやめ、債券などの安定運用にシフトするのがよい気がします。

 ということで、運用に自信があるなら75歳まで年金の支給を繰り下げ、75歳からは年金により軸足を置くようにする、というのが現実的かもしれません。

 生島 積極的な投資は75歳くらいまでというのが1つの目安なんですね。

 岩本 銀行の預金金利が単純に3%以上であれば、投資などリスクのあることはせずとも、資産を増やせるわけなんですが、市中金利がゼロ%の日本ではなかなかそれを上回るリターンを求めるのは難しい、という側面もあります。

 生島 そこでみなさん、海外へと目が向いてしまう。

 岩本 新NISAでも、オルカン(オールカントリー)と呼ばれる、全世界の株式(うち米国が6割)に国際分散投資できる投資信託などがずいぶんと人気のようですね。ただ、海外への投資では為替リスクが必ず生じますから、最初から為替差益は放棄して、為替をフルヘッジしてリターンだけを取りいくという方法もあるかと思います。為替ヘッジをされない場合は、先にお伝えしたように円安・円高のタイミングに留意していただければと思いますし、為替のオプション取引を使うのも一案です。ただし「ノックアウト付き」など複雑なものは絶対に手を出さず、シンプルなドルを売る権利を買う「ドル・プット・オプション」などの利用が得策と考えます。

● 相場の世界は「山高ければ、谷深し」

 生島 海外ものに投資する場合は、為替リスクに注意ということですが、そのほかに個人が投資を始める時に、どういうことに気をつけたらいいでしょうか? 日経平均もダウ(ダウ・ジョーンズ工業株平均。米国の株式市場の代表的な株価指数)もコロナ禍からの回復期に大きく上昇しました。

 岩本 相場ですから、永遠の右肩上がりはあり得ず、どこかで調整が入るでしょう。相場の世界で「山高ければ、谷深し」という格言があるのですが、上昇すれば上昇するほど、またその勢いが強ければ強いほど、下落を始めた場合の下落幅にも注意しなければなりません。そうした下落を経てもなお株価が戻ってきて、さらに上昇する、時間とともに企業価値が高まっていく株を見つけ保有する、というのが鉄則でしょう。

 生島 「山高ければ、谷深し」う~ん、意味深長ですね。

 岩本 日本株だけに投資をしているので、自分には米国株は関係ないとおっしゃる方もおられるかもしれません。ただ、世界中のあらゆる金融市場は密接につながっています。大量に運用資金を扱う世界中のファンドは、1国だけ、1つの市場だけに投資をしているわけではありません。

 例えば米国の株式市場が急落しても、まだ日本株が高値を維持しているとなれば、米国株での損失を補填するために、まだ利が乗っている日本株を大量売却する、あるいは債券や他の商品を売って損失補填を、ということはよくあることです。その結果、売りが売りを呼んで全世界的な株価の急落やトリプル安(株式・債券・為替の3つの市場すべてで同時に値下がりが発生する状況)が起こります。

 生島 投資をしている以上、何らかの関わりが出てくる。

 岩本 はい。