【名人戦】藤井聡太名人が47手目を封じ初日終了、豊島将之九段は藤井戦初の「四間飛車」採用

AI要約

藤井聡太名人と豊島将之九段の第82期名人戦7番勝負第5局が27日開催され、豊島が意表を突いた戦法で初手を封じた。2日目は再開される。

豊島は居飛車に対し、4筋に飛車を振る「四間飛車」を採用。これまでの戦法とは異なり、挑戦的な戦いを展開した。

昨年の名人獲得後に幅を持たせたいと語っていた豊島が、大一番で新しい戦法を投入。藤井は居飛車穴熊で応戦し、2日目の展開が注目される。

【名人戦】藤井聡太名人が47手目を封じ初日終了、豊島将之九段は藤井戦初の「四間飛車」採用

 藤井聡太名人(竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖=21)が、挑戦者の豊島将之九段(34)に3勝1敗で迎えた、将棋の第82期名人戦7番勝負第5局が(北海道紋別市「ホテルオホーツクパレス」)は27日、先手の藤井が47手目を封じて初日を終えた。2日目の28日は午前9時、封じ手を開封して再開される。

 豊島が意表を突いた。居飛車の意思表示をした藤井に対し、4筋に飛車を振る「四間飛車」を採用した。対藤井戦38局目で初の振り飛車だ。

 過去37局(藤井25勝12敗)は「角換わり」と「相掛かり」が大半。今期の名人戦は相掛かりでひねり飛車、藤井の棒銀と、これまでとは趣向が違う。第5局も用意した作戦だったのだろう。序盤に9筋の歩を突いたり、角と銀を3段目に上げるなど、雁木(がんぎ)か振り飛車か、含みを持たせて揺さぶった。

 昨年6月2日、藤井が史上最年少で名人を獲得した翌日の王座戦挑戦者決定トーナメント、本田奎六段戦で豊島は三間飛車を採用している。その後、振り飛車で戦った対局もある。後日「戦法に幅を持たせたい」と意図を説明したが、あとがない大一番の後手番であえて投入してきた。

 対する藤井は居飛車穴熊として形勢互角のまま、2日目を迎える。前例のない力戦系の将棋で藤井が初防衛を果たすか、豊島が連勝するか。再開直後から目が離せない。