「候補者の運動でも自由妨害に」 つばさの党事件で警察庁長官

AI要約

4月の衆院東京15区補選でのつばさの党による選挙妨害事件について警察庁が厳正に対処する考えを示した。

警視庁はつばさの党幹部3人を公職選挙法違反容疑で逮捕し、選挙の自由を妨害した行為を明らかにした。

露木長官は選挙の重要性を指摘し、公正な選挙の実現に向けて厳しく取り締まる姿勢を示した。

「候補者の運動でも自由妨害に」 つばさの党事件で警察庁長官

 4月の衆院東京15区補選での政治団体「つばさの党」による選挙妨害事件に絡み、警察庁の露木康浩長官は23日の定例記者会見で、「仮に候補者がする選挙運動でも、他の候補者の演説などを妨害する行為は許されることにはならず、自由妨害罪の成立を妨げるものではない」と述べ、今後も同種事案があれば厳正に対処する考えを示した。

 警視庁は今月17日、つばさの党幹事長で同補選に立候補し落選した根本良輔(29)、代表の黒川敦彦(45)、幹部の杉田勇人(39)の3容疑者を公職選挙法違反(選挙の自由妨害)容疑で逮捕した。告示日の4月16日に東京都江東区のJR亀戸駅前で他陣営が演説中、選挙カーを接近させたうえで聴衆の間に割り込んだり、電話ボックスの上に座るなどしながら拡声機を使って怒号を浴びせたり、車のクラクションを鳴らしたりし、選挙の自由を妨げた疑いがある。3人はその後も、複数の陣営の選挙カーを追いかけ回すなどの行為を繰り返したとされる。

 露木長官は「選挙が公正に行われ、国民の意思が正しく政治に反映されることは民主主義の根幹だ」と指摘。「選挙の自由を妨害する悪質な公職選挙法違反事件には引き続き法と証拠に基づき厳正に対処していく」と語った。(編集委員・吉田伸八)