ヤミ金、2000年代に問題化 多重債務者狙い、ピーク時は約1000店

AI要約

警視庁が違法な高金利で現金を貸し付けるヤミ金融を営んだとして、無職の針谷恭輔容疑者ら4人を逮捕。

針谷容疑者は以前加わっていたヤミ金融が不景気で多重債務者を狙い、問題となった。

警視庁は出資法を改正し罰則を強化するなど、ヤミ金対策を進めている。

ヤミ金、2000年代に問題化 多重債務者狙い、ピーク時は約1000店

 違法な高金利で現金を貸し付けるヤミ金融を営んだとして、警視庁生活経済課は21日、東京都大田区の無職、針谷恭輔容疑者(44)ら男女4人を貸金業法違反(無登録営業)と出資法違反(超高金利)の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。

 針谷容疑者は以前加わっていた旧五菱会系のヤミ金融は2000年代初頭、不景気で生活に困窮した多重債務者らを狙い、次々と別の業者を紹介して借金を重ねさせる手口で問題となった。

 ピーク時は約1000の「金融店」があり、就職情報誌を通じて従業員を募集。捜査関係者によると、針谷容疑者はそういった従業員の一人で、20代だった当時は取り立て業務などを担っていたとみられる。

 警視庁などは03年に「ヤミ金の帝王」と呼ばれた統括役らを摘発。出資法を改正して罰則を強化するなどの動きもみられた。

 暴力団対策に詳しい青木知巳弁護士(東京弁護士会)は「いまでもヤミ金融業者の背後に暴力団などが関与している可能性もある。捜査当局には資金の流れの解明や、組織の摘発を進めてほしい」と話した。【加藤昌平】