能登半島「雨の勢いすごい」「来ない方がいい」 珠洲の陶芸家、現地向かう途中で断念

AI要約

石川県能登地方での線状降水帯の発生に伴う大雨で、陶芸家の篠原敬さんが珠洲市を訪れる途中で現地の状況が悪化し、作品や工房の安全が心配されている。

篠原さんは工房の周りの地盤の状況や川の氾濫などに不安を感じており、作品や工房の被害が心配されている。

また、輪島市でもアクセスが遮断され、施設に影響が出ている状況が報告されている。

能登半島「雨の勢いすごい」「来ない方がいい」 珠洲の陶芸家、現地向かう途中で断念

石川県能登地方での線状降水帯の発生に伴う大雨で、同県珠洲(すず)市の伝統工芸「珠洲焼」の陶芸家、篠原敬さん(64)は21日、現地の状況について「雨の勢いはすごいし、川も氾濫している」などと語った。

篠原さんはこの日午前8時ごろ、珠洲市内で陶工仲間との打ち合わせをするため、仮住まいする同県野々市市の自宅を車で出発。しかし、珠洲市に近づくにつれて雨の勢いは増すばかりだった。途中で電話した珠洲市の友人から「来ない方がいい」と言われ、半島の穴水町付近でやむなく引き返したという。

篠原さんは元日の地震で珠洲市内の山間部にある工房の窯が倒壊。その後、作品の制作を再開し、今月には市内に完成した共同窯で作品に火入れする「初窯」を控えていた。工房には仮設の建物が完成したばかりで、初窯に向けてつくった大切な作品もあるという。

篠原さんは「工房の周りは地盤が緩んでいる上、小さい川もある。もしかしたら氾濫するかもしれない」と不安そうに話した。

また、同県輪島市の宿泊施設の担当者は「市外からのアクセスが完全に遮断されてしまった。各地で道路が冠水し、川の氾濫も起きて社員が出社できない」などと語った。