京王グループ会社、輪軸1786本でデータ改ざん

AI要約

京王電鉄のグループ会社が輪軸組み立て作業で圧力データ改ざんを行い、1786本の輪軸に影響があったことがわかった。

改ざんは2016年から行われ、最大で基準を27%超える圧力がかかっていたり、基準の半分しかない輪軸もあった。検査データの一部は廃棄され確認が取れない状況。

担当者間で不正が行われており、安全上の問題がないとして書き換えられていた。供給先の各鉄道会社が安全確認を行い、再検査や輪軸の交換作業が進行中。

京王グループ会社、輪軸1786本でデータ改ざん

 鉄道車両の車輪に車軸をはめ込む「輪軸組み立て作業」をめぐり、京王電鉄のグループ会社「京王重機整備」は19日、圧力のデータ改ざんが行われた輪軸が計1786本あったと発表した。関東を中心に北海道や東北、中部、関西で計29の鉄軌道会社に供給していたという。

 京王重機整備によると、不正は少なくとも記録が残る2016年から行われていた。基準値を超えたり下回ったりする圧力がかかっていたにもかかわらず、基準値に収まるよう検査データを改ざんしていたという。最大で基準を27%超えるものや、下限の半分ほどしかないものもあった。また、検査データの記録が廃棄されるなどして確認が取れなかった輪軸も587本あった。

 こうした不正行為は担当者間で引き継がれており、別の検査項目が基準通りだったことから「安全上の問題は無い」としてデータを書き換えていたという。

 不正を受け、供給された各社が安全確認をすすめている。京王電鉄は同日、不正が確認された輪軸937本を京王重機整備から供給されていたと発表。京王線と井の頭線の計314両で使われていたという。いずれも再検査をして安全性に問題がないことを確認したが、今後数年を掛けて輪軸を交換していくという。

 一方、西武鉄道は同日、同社の車両に使われている輪軸354本が、同社が目安としている圧力値を上回っていたと発表した。京王重機整備が組み立て作業をした輪軸はないという。データの改ざんはなく、安全上問題はないとしている。(増山祐史)