【専門家解説】東北新幹線「はやぶさ・こまち」走行中に“分離” 史上初のトラブルであわや大事故にも…原因に2つの可能性

AI要約

東北新幹線で走行中の連結部分が外れ、停車するトラブルが発生。

乗客にけがはなく、5時間の運転見合わせ後に運転再開。

分離の原因には連結器の不具合や自動切り離し装置の誤作動が考えられる。

【専門家解説】東北新幹線「はやぶさ・こまち」走行中に“分離” 史上初のトラブルであわや大事故にも…原因に2つの可能性

19日、東北新幹線のはやぶさ・こまちが宮城県内を走行中に連結部分が外れ、停車するトラブルが発生した。約5時間運転を見合わせたが、脱線はせず、けが人もいなかった。JR東日本で走行中に連結が外れるのは、初めてのケースだという。専門家は分離が起きた原因について、2つの可能性を指摘した。

19日、東北新幹線は車両の連結部分が走行中に外れて停車し、約5時間に渡って全線で運転を見合わせた。

JR東日本によると、19日午前8時過ぎ、宮城県にある仙台駅と古川駅の間で東北新幹線のはやぶさ・こまちの連結部分が走行中に外れ、停車した。

停車したはやぶさとこまちは、いずれも脱線しておらず、約320人の乗客にけがはなかった。JR東日本管内の新幹線で走行中に連結部分が外れるのは、今回が初めてだという。

この影響で、東北新幹線の新青森駅と東京駅の間の全線で、約5時間に渡って運転見合わせとなったが、午後1時過ぎに全線で運転が再開された。

車両の連結部分が分離したトラブルについて、鉄道ジャーナリストの梅原淳さんが解説する。

青井実キャスター:

今回のようなトラブルは聞いたことがないですが、これまでにもありましたか?

鉄道ジャーナリスト・梅原淳さん:

JR東日本によると、管内の新幹線で走行中に連結部分が外れるのは、今回が初めてだそうです。

木村拓也キャスター:

走行中の新幹線で何が起きたのか、時系列で見ていきます。

まず午前6時9分に秋田駅を出発した「こまち6号」は、午前7時35分に盛岡駅に到着しました。ここで「はやぶさ6号」と連結し午前7時37分に、約320人の乗客を乗せ出発しました。

そして、古川駅から6km進んだ辺りでストップし、午前8時7分、古川駅と仙台駅の間で連結部分が外れ、それぞれの車両が分かれる形で分離しました。脱線はしておらず、走行中に分離したとみられています。分離後も車内の空調は動いていて、けが人はいなかったということです。

青井キャスター:

走りながら分離したということで、かなり危険だったのではないですか?

鉄道ジャーナリスト・梅原淳さん:

列車自体は、前側も後ろ側も連結が外れた段階で自動的に電気回路が切れ、加速が止まり、ブレーキを引きます。前方のはやぶさは運転手がいますが、後方のこまちは運転手がいないため、自動的に止まるのを待つしかありません。

もしも、前の「はやぶさ」のブレーキが効きすぎたら、後ろの「こまち」が衝突していましたし、「こまち」のブレーキの効きが悪かったら、衝突していた可能性もあります。

青井キャスター:

なぜ、前代未聞の分離が起きてしまったのでしょうか?

鉄道ジャーナリスト・梅原淳さん:

可能性として考えられるのは、2つあります。

まずは、連結器そのものの機械的な不具合で、例えば損傷や金属疲労で折れてしまったなどの原因があります。あるいは連結器同士を突き合わせる時のロックが壊れたということも考えられます。

もう一つは、はやぶさとこまちとを連結している時に限りますが、この車両は自動的に盛岡駅で連結しますが、盛岡駅で2つの車両を自動的に切り離しもしています。そのため、電気トラブルで自動的に切り離す装置が走行中に誤作動してしまった可能性もあります。