「これからしっかり考える」斎藤元彦兵庫県知事、全会一致で不信任可決も進退明言せず 可決5例目も過去解散なし

AI要約

兵庫県知事へのパワーハラスメント疑惑に関する不信任決議案が全会派一致で可決された。

知事は議員からパーフェクトな「NO」を突き付けられたが、進退については明言を避けた。

斎藤知事は解散か辞職するかの選択を迫られており、県政に影響が及んでいる状況である。

「これからしっかり考える」斎藤元彦兵庫県知事、全会一致で不信任可決も進退明言せず 可決5例目も過去解散なし

 斎藤元彦兵庫県知事(46)の職員へのパワーハラスメントなどの疑惑告発文書問題で県議会は19日、全会派一致で知事の不信任決議案を可決した。

 議員86人中、賛成票86。パワハラ&おねだり知事として全国からも注目される斎藤氏が、目の前で県議から、パーフェクトな「NO」を突き付けられた。結果を受けて取材に応じた斎藤知事は議会中と変わらぬ硬い表情で「心から申し訳ない。結果責任は重い。この事実を重い状況と受け止めなければいけない」と県政の混乱については謝罪したが、進退については明言しなかった。

 地方自治法によると、斎藤知事は10日以内に議会を解散しなければ失職する。辞職、失職なら50日以内に知事選が行われる。解散すれば40日以内に県議選となるが、改選後の議会で3分の2以上が出席し、過半数が賛成すれば不信任決議が成立。議会通知を受けた時点で失職する。どこに向かうにせよ行く先は険しい。

 総務省によると同案可決は1966年以降、全国で5例目だが、解散を選んだ例はない。斎藤氏は「これからしっかり考える。兵庫県にとって何が大事か、自分の心の中と問い合わせたい」。進退の決断や発表時期は「今すぐいつかは言えない」「まさに今、可決したところ。重い判断になるので」と繰り返した。

 今年3月、西播磨県民局長だった男性(60)が斎藤知事のパワハラなどの疑惑を告発する文書を作り、報道機関などに配布。県の公益通報窓口にも通報したが、県は内部調査を進めて文書を誹謗(ひぼう)中傷と認定し、男性を停職3か月処分に。男性は7月に亡くなった。

 議員の不信任決議案では、元局長への対応は「専門家は公益通報者保護法の見地から『兵庫県は今も違法状態』と断じている」と厳しく指摘した。斎藤氏は「法的、内容も含めてキチッとやってきた面もあるが、それでもなお、この結果になったことは負わなければいけない」。一方、この日午前の議会で語った「県政を前に進める」との思いは「変わりはないです」とかたくなに曲げなかった。(筒井 政也)