「怖くない場所なんだな」府中刑務所で一般人向けの意見交換会開催 来年6月には「拘禁刑」の導入も

AI要約

府中刑務所で社会人や学生と職員が意見交換会を行い、刑務所の仕事や取り組みを知る取り組みが行われました。

参加者と職員のやり取りを通じて、受刑者の処遇や刑務所での取り組みについて議論がされました。

刑務所への理解を深めるため、今後も法務省がさまざまな取り組みを行っていく考えです。

刑務所の仕事や取り組みを知ってもらおうと、東京・府中市の府中刑務所で社会人や学生と刑務所の職員との意見交換会が開かれました。

19日、府中刑務所を訪れたのは、社会人や学生およそ60人です。

刑務所の中を見学したあと、刑務所での仕事や取り組みについて職員と意見交換をしました。

府中刑務所では、現在およそ1700人の受刑者が収容されていますが、参加者からは受刑者との向き合い方について質問が挙がりました。

参加者

「(受刑者を)反省させることはゴールではないんですか」

刑務所職員

「ゴールは決めない方がいいと思います。『犯罪をしない』と言い切れる人間の心情は誰にも把握できない。この人が失敗して(刑務所に)戻っても何がどこで間違っていたから、この人は帰ってきたのかなと考える余裕ができるので、私はゴールを決めない」

受刑者の処遇をめぐっては、全国の刑務所で今年4月から受刑者を「さん」付けする取り組みを始めたほか、2025年6月には懲役刑と禁錮刑を廃止し、新たに「拘禁刑」が導入されるなど、処遇の改善が進んでいます。

意見交換会はこうした刑務所での取り組みを知ってもらうため開かれました。

参加者からはこんな意見も…。

参加者

「刑務作業をしている方の机に、名前が表示されていることにすごくびっくりした。きちんと名前を『さん』付けで呼んでいて、怖くない場所なんだなと思った。(拘禁刑導入で)1人1人に合ったサポートができるようになると、自分が大事に扱われている。その素地があることで、これからどうやっていこうかと初めて考えていけると思うので大切なことかな」

刑務所職員

「刑務所は懲らしめるためというイメージが多かったらしく、そうではなくて、彼らの抱えている障害、特性、生きづらさに着目して、職員が個別で対応しているのが斬新だったと言われたので、そういう見方をされるように頑張りたい」

法務省は今後も刑務所への人々の理解を深めたい考えです。