クレーム電話には「笑顔」が防御となる 怒りの感情に「同調」することをまず避ける

AI要約

電話対応でクレーマーに怒られる場合、怒りに同調せず、元にある感情にフォーカスすることが重要。

怒りは「二次感情」であり、単独では現れず、元になった感情が確かめられるように対応する必要がある。

相手の怒りに直接ふれず、大元の感情を探ることで、クレームの解決がしやすくなる。

クレーム電話には「笑顔」が防御となる 怒りの感情に「同調」することをまず避ける

 こんにちは。メンタルアップマネージャ®の大野萌子です。

「電話が苦手」をさらに加速させているのが、クレーマーの存在ではないでしょうか。対面でない分、遠慮なしに暴言を吐かれることも少なくありません。意図が明確でない理不尽なものであれば、なおさら苦痛を感じてしまうと思います。そんな電話への対応方法を、拙著『電話恐怖症』から、一部抜粋・再構成してお伝えします。

■怒りは「二次感情」

 クレーム電話でトラブルになるのは、相手の怒りがエスカレートしてしまうことです。顔が見えない分、感情がエスカレートしやすく、ストップがきかなくなる傾向があります。その場合は、怒りに同調しないことが重要です。

 コミュニケーションの基本は相手の感情に寄り添うことですが、怒りだけは、それが逆効果になります。なぜなら、喜怒哀楽のうち怒りだけは「二次感情」と呼ばれていて、怒りのもとに別の感情があるからです。

 喜びや悲しみと違って、怒りは単独ではやってきません。必ず怒りのもとになった感情が、その背後に隠れています。寄り添うべきは怒りにではなく、そのもとにある一次感情です。

 元の感情に寄り添わないかぎり、表面にあらわれた怒りに寄り添って静めようとしても、元が解決されていないので、怒りはおさまりません。逆に怒りを否定されたと感じて、ますますエスカレートします。

 ですから、相手が怒って電話をしてきた場合、何が怒りを呼んでいるのかを確かめる必要があります。たとえばすぐに電話をしてこなかったことが原因だとすると、そのときの悔しい感情なのか、不安な感情なのか、困った感情なのか、大元の感情をしっかりつかんでそちらにフォーカスすれば、クレームはおさまりやすくなります。

■相手の意向を探る

 ではどうやって、大元を探り当てるかですが、怒りの感情に同調することをまず避けましょう。「腹が立ったんですね」「それはお怒りですね」などと怒りの感情に直にふれると「そんなもんじゃないよ」とますます火に油を注ぐかたちになってしまいます。