【NGワード】「禁酒や禁煙をすすめたいとき」に言っても無意味な1つの言葉とは

AI要約

親とのコミュニケーションにおける問題解決のためのアプローチ

タバコやお酒に対する親の習慣に対する気遣いの仕方

指示や命令によるアプローチではなく、工夫を凝らした伝え方の重要性

【NGワード】「禁酒や禁煙をすすめたいとき」に言っても無意味な1つの言葉とは

 「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。

● タバコやお酒の量が気になる……

 「そろそろ、タバコをやめない? 健康に悪いの、わかっているでしょ?」。健康のために禁煙をすすめるひと言です。

 健康に対する理解力や価値観も人によって千差万別ですから、むずかしいところですよね。とはいえ、子どもが心配をする気持ちも痛いほどわかります。

 親の健康を考えたときに、タバコの吸いすぎやお酒の飲み過ぎが気になるのは当然です。

 最終的な折衷案として、もめごとが生じない程度に意識づけができればいいのではないでしょうか。タバコなら「1日2本以内にしてみない?」など、少しずつ守れる目標を決めていくのがいいでしょう。

 当然ですが、ストレートに「やめたら?」と伝えるとかえって反発されてしまうこともあります。せっかく親のことを思って言ったのに、聞く耳も持たれないのは悲しいですよね。

● 「指示・命令」には誰もが反発してしまう

 ちなみに、私は甘いものには目がありません。好物はあんこです。家族からは「糖尿病になる」と、何度も言われてきました。でも、私自身「そんなことはわかっているんだよ!」という気持ちです。むしろ家族よりも詳しいです。誰しも、わかっているのにやめられないことはあります。

 もちろん、大幅に死期を早めるほどの生活習慣ならば、本人も納得するようなかたちで、注意喚起するのもありだと思います。

 ただし、「やめなよ」のように、指示・命令を含むメッセージは、かえって禁煙効果が薄まるのでおすすめしません。

 そんなときは、「ヘビースモーカーだった〇〇さん覚えている? 末期がんなんだって。怖いね……」のように「怖い情報」を出して、危機感を促してみてください。エビデンス(証拠)に基づく説得は、案外効果があるものです。

 もちろん、これはテレビの情報や雑誌の情報でもいいです。「リスクが高まるらしいよ」のように、あくまで何気ない会話として伝えましょう。

 ストレートに言って解決するなら、それがベストですが、むずかしいこともあります。皆さんなりにでいいので、少し工夫ができるといい方向に進むかと思います。