家族3人死亡「悪質すぎる飲酒運転なのになぜ」事故から4か月…遺族が訴え
群馬県でトラックが乗用車に衝突し、家族3人が亡くなった事故から4か月がたちました。遺族が会見し、飲酒運転の危険性について訴えました。
事故で亡くなった家族の幸せな時間や事故の様子が記録され、遺族は起訴内容に疑問を呈しました。
前橋地検は捜査を続けており、過失運転致死傷罪と飲酒の因果関係を調査しています。
群馬県でトラックが乗用車に衝突し、家族3人が亡くなった事故から4か月がたちました。16日、遺族が会見を開き、「悪質すぎる飲酒運転なのになぜ、危険運転にならないのか」などと訴えました。
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事故前、塚越湊斗ちゃん(2)と父親の寛人さんのほほえましい様子が撮影されていました。
そして、笑顔で写真にうつる祖父の正宏さん。“当たり前”だった家族の幸せな時間は今年5月、突然奪われました。
ゴールデンウイーク最終日、群馬県伊勢崎市で起きた事故。事故の瞬間をとらえたドライブレコーダーの映像には、トラックが対向車線にはみ出し、乗用車にぶつかる様子が映っていました。
この事故で、車に乗っていた塚越湊斗ちゃん(2)と父親の寛人さん(26)、祖父の正宏さん(53)の3人が亡くなりました。
事故からおよそ4か月。16日、遺族が会見を開きました。
湊斗ちゃんの母親
「これが『過失』のまま起訴されてしまうのは、(亡くなった)本人たちも悔しいだろうし私たちも到底納得できない」
訴えたのは、トラックを運転していた鈴木吾郎被告(69)の起訴内容についてです。
事故後、基準値以上のアルコールが検出されたという鈴木被告。警察によると、勤務先でのアルコールチェック後に飲酒し、急加速・急ハンドルなどを行って事故を起こしたとみられています。
警察は「危険運転致死傷の疑い」で逮捕しましたが、先週、前橋地検は飲酒運転については結論を出さず、より法定刑の軽い過失運転致死傷罪で起訴しました。
湊斗ちゃんの母親
「悪質すぎる飲酒運転なのに、なぜ『危険運転』にならないのか、怒りとショックとなんでという気持ちが強かったです」
正宏さんの母親
「あの事故で『過失』というのは変だなと。危険のほかは何もない感じがする。捜査にゆだねるしかないので強くお願いしたい」
正宏さんの息子
「4か月たってお父さんと弟が夢に出てくるようになった。3人の命を奪ったのに『過失』ですむことに対してすごくもやもやして」
前橋地検は、飲酒と事故の因果関係について捜査を続けるとしています。
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「危険運転致死傷罪」は刑の上限が懲役20年なのに対し、「過失運転致死傷罪」の上限は懲役7年。