中学陸上部の走り高跳びで後遺障害 市と県に3145万円の賠償命令

AI要約

神奈川県大和市立中学校の陸上部で男子部員が走り高跳びの練習中に頭を打ち、後遺障害を負う。訴訟の結果、市と県に約4557万円の損害賠償が命じられた。

男子部員は教諭の指示で背面跳びを試みるが、マットの位置が不適切で跳躍に失敗。教諭の安全配慮義務違反が認められる。

男子部員も一部過失があると認定され、賠償金の支払いが市と県に命じられる。

中学陸上部の走り高跳びで後遺障害 市と県に3145万円の賠償命令

 神奈川県大和市立中学校の陸上部で、男子部員が走り高跳びの練習中に頭を打ち、後遺障害を負ったのは、顧問教諭の安全配慮義務違反が原因などとして、市と県に約4557万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、横浜地裁であった。小西洋裁判長は義務違反を認め、市と県に連帯して約3145万円を支払うよう命じた。

 判決によると、2019年3月、当時2年生だった男子部員は、両足で踏み切っての背面跳びを教諭に指示された。マットが左右に広がっておらず、不安を覚えたが、教諭から「お前は跳べないのか」「ポンコツ」などと言われて跳躍を試み、マットの外に落下。外傷性てんかんなどによる後遺障害を負った。

 判決は、教諭は安全に着地できるようマットの位置を工夫する義務があり、男子部員がこの日初めてこの跳躍方法に取り組み、跳躍をためらっていることを認識していたことなどから、義務違反があったと認めた。

 一方、男子部員は危険性を認識しながら跳躍したことなどから「過失割合を3割の限度で認めるのが相当」とした。

 大和市教委の担当者は「判決文が届いておらずお答えできない」とコメントした。(加藤美帆)