津波犠牲者を沿岸部各地で追悼 震災遺構訪れ教訓学ぶ姿も

AI要約

東日本大震災から13年半が経過し、被災地では犠牲者を追悼する姿や震災遺構を訪れる人々が見られた。

荒浜地区では、元小学校教員の稲葉紀代さんが知人家族を失った悲しみを表し、京都市の大学生も津波の威力を実感した。

荒浜小の荒浜遺構を初めて訪れた人々は、被災の痕跡に同情し、防災の重要性を再確認した。

 東日本大震災は11日、発生から13年半となった。津波で甚大な被害が出た沿岸部では犠牲者を追悼する姿が各地で見られたほか、震災遺構を訪れ、防災の教訓を改めて学ぶ人もいた。

 仙台市の荒浜地区。知人家族らを亡くした元小学校教員の稲葉紀代さん(79)は、慰霊碑と観音像に向かい手を合わせた。「自分の家族が無事でも喜べない。亡くなった人やその家族を思い、ただ祈りたいんです」。

 近くの震災遺構・荒浜小に初めて来た京都市の大学生鈴木聖也さん(21)は「周囲に建物がほとんど何もない光景に言葉が出なかった。ひしゃげた手すりを見て津波の威力も実感できた」と真剣な表情で話した。