「経営者や記者から軒並み評判がよかったのに…」“おねだり&パワハラ知事”以前の斎藤元彦氏を知るジャーナリストが見た“豹変”の呆れるきっかけ

AI要約

兵庫県の斎藤元彦知事が職員のパワハラ問題で辞めずに残留し、告発職員が死亡するなど事件が起こっている。知事は責任を取らず、さらに問題を起こしている様子。

職員の告発文書には不正行為やパワハラが記されており、知事はこれを否定せずに公益通報を封じる行動を取っている。

知事の対応に対して、県民や報道機関から批判が相次いでおり、問題が深刻化している。

「経営者や記者から軒並み評判がよかったのに…」“おねだり&パワハラ知事”以前の斎藤元彦氏を知るジャーナリストが見た“豹変”の呆れるきっかけ

 兵庫県の斎藤元彦知事はなぜ辞めないのだろう? 最大の謎である。いや、辞めれば済むという話ではないのだが、例えばどういう気持ちになれば次の発言ができるのか。

 

『兵庫県の斎藤元彦知事、パワハラ体質問われ「過去取り戻せない」「もっといい知事に」…百条委員会の証人尋問』(読売新聞オンライン8月30日)

 3月に斎藤知事をめぐる疑惑が浮上して以降、すでに2人の職員が死亡している(自死とみられる)。

 

 そのうちの1人が、この春まで兵庫県で西播磨県民局長を務めていた男性職員のX氏だ(※以下「X氏」)。X氏は斎藤知事を告発した文書を報道機関などに送付したら寄ってたかって追い詰められ、処分された。「寄ってたかって」の部分は重要なので後半に詳しく書く。

 

 X氏の告発には2023年11月23日に開催された阪神タイガースとオリックス・バファローズのリーグ優勝を記念したパレードもあった。文書には、兵庫県は「必要経費を補うため、信用金庫への県補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせた」旨の告発もあった。

 パレードを担当した課長は不正行為と難しい調整に精神がもたず、うつ病を発症したと記されていたが、4月に亡くなっていたことが7月末に公表された。

 こうして2人の職員が亡くなっているのだが、百条委員会で斎藤知事は自身の振る舞いを問われて「過去は取り戻せない」「もっといい知事に」と平然と言ったのである。ゾッとする。

 県議会の調査委員会が県職員に行ったアンケートの中間報告には「カニの持ち帰り」などのおねだり例やパワハラ疑惑も報告されていた。インパクトが強いエピソードの数々なのでそこに目が向けられるのもわかる。

 しかし今回最も論じられなければいけないのは「公益通報つぶし」ではないか?

 X氏が告発文書を一部の報道機関や県議に送付すると、県はX氏が文書作成者だと断定し、X氏の公用PCを押収した。その2日後、斎藤知事は定例会見で「業務時間中に『嘘八百』を含め、文書を作って流す行為は公務員として失格だ」と述べた。

 県はX氏を停職3カ月の懲戒処分にした。X氏は7月7日に急死。「死をもって抗議する」という文言を遺していた。