斎藤・兵庫県知事「空クル(空飛ぶクルマ)は知事直轄、勝手にやるな」叱責、「理不尽」と職員 百条委

AI要約

斎藤元彦・兵庫県知事のパワハラ疑惑に関する調査特別委員会が公開で行われ、斎藤知事自身の発言や幹部職員の証言が明らかにされた。

斎藤知事が新プランについて担当職員を叱責し、机をたたいたことや、別の職員に対しても叱責の行動があったことが報道され、公の場で謝罪した経緯が明らかになった。

さらに、万博関連の取り組みや兵庫県の魅力を発信するためのプログラムについての概要も述べられており、斎藤知事による職員へのパワハラ行為が問題視されている。

斎藤・兵庫県知事「空クル(空飛ぶクルマ)は知事直轄、勝手にやるな」叱責、「理不尽」と職員 百条委

 斎藤元彦・兵庫県知事のパワハラ疑惑などを告発した文書問題で、斎藤知事本人に対する証人尋問が8月30日、兵庫県議会の調査特別委員会「百条委員会」で公開で行われ、委員からはさまざまな角度から質問が飛び交った。

 この日は県幹部職員も尋問に臨み、斎藤知事の𠮟責に「理不尽」「腹立たしい」などと述べた。

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 2021年9月、尼崎市臨海部の埋め立て地「フェニックス事業用地」に、 大阪・関西万博の建設資材の運搬拠点となる埠頭を新設するプランについての一部報道があった。

 斎藤知事は担当職員(当時の土木部長、港湾課長)を知事室に呼び、「聞いていない」と叱責、机をたたいたとされる。

 斎藤知事の就任は同年8月1日。この件について百条委でただされた斎藤知事は、「記憶はある。知事就任直後で、(このプランについて)認識がなかった。報道に接し、『何なんだ、これは』と驚いた。そして、『自分の知らないところで業務が既成事実として進められようとしているのでは』と不安を強く抱いた。知事選後の緊張感もあり、気持ちも高ぶっていた。『こういうことは報告をしていただかないと』との思いで机をたたいてしまった」と事実関係を認め、「行為として適切ではなかった」と述べた。

 しかし、「威嚇的な行為で、精神的にプレッシャーを与えたパワハラではないか」との委員の言葉には、斎藤知事は「パワハラかどうかは、百条委員会で認定していただくこと。(担当者に)不快に思わせたことについてはお詫び申し上げたい」と話すにとどまった。

 さらに別の職員(ドローン事業などを担当)は、2023年1月、大阪・関西万博の目玉として注目される「空飛ぶクルマ」の開発メーカーと兵庫県との協定締結式が近く神戸市内で行われることを斎藤知事に説明しようとした。

 しかし、斎藤知事は知事室で「何これ、聞いてない」「空クル(空飛ぶクルマ)は知事の直轄、勝手にやるな」と大声で叱責したとされている。

 その後も職員は説明を続けようとしたが、斎藤知事に「やり直し」と遮られ、途中で退室したという。職員は「理不尽だと感じた。かなり腹が立った」などと当時の心境を明かした。

 2025年万博の誘致が大阪に決まったのは、2018年11月。この時、斎藤知事は大阪府財政課長だったこともあり、来たるべき大阪・関西万博への思いは強い。

 そこで「ひょうごフィールドパビリオン」構想が進んだ。

 これは、大阪府の隣県、兵庫県全体をパビリオンに見立て、地場産業やものづくりなどの現場の活動を地域の人が発信するもの。万博に訪れると見込まれている国内外の2800万人をターゲットに、体験型地域プログラムを通して兵庫の魅力を知ってもらう企画。

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 次の百条委は9月5、6日に開かれ、斎藤知事は6日に再び出頭する。この日は告発文書をめぐる公益通報制度の運用のあり方や、物品受領(告発文書では「おねだり」と表現)疑惑についての尋問かある。