死刑に立ち会った刑務官が明かす…執行直前に死刑囚が語った最期の言葉、その瞬間に起きた「惨劇」の全貌

AI要約

死刑執行の際のタイミングや手錠の特殊な使用方法について刑務官の証言から明らかにした。

死刑囚の最期の言葉から執行までにかかるストレスやリスクについて述べられている。

死刑執行中に死刑囚が怪我をした場合でも執行は中止されず、刑務官の仕事の厳しさが示唆されている。

死刑に立ち会った刑務官が明かす…執行直前に死刑囚が語った最期の言葉、その瞬間に起きた「惨劇」の全貌

日本では死刑判決はどう行われ、死刑囚はどんな生活をして、死刑はどう執行されるのか。前編に引き続き、漫画家・一之瀬はちさんが実際に死刑に立ち会った刑務官に取材した『刑務官が明かす死刑の秘密』を取り上げる。

死刑の際、タイミングを計ることも刑務官の大切な仕事だ。死刑の際、落下のタイミングは現場指揮の刑務官が取ることになっている。(1)手をあげると、(2)執行のブザーが鳴るという手順だが、その落下の合図を出すのが非常に難しいのだという。

「死刑囚の首にロープをかけ、手足には手錠。その用意が整うと死刑囚は最期の言葉を話すことができます。その言葉が終わると落下のタイミングなのですが、タイミングを間違えて途中で落としてしまうと、死刑囚は落下の衝撃で舌を噛み切ってしまい、落下地点が血まみれの惨劇となってしまう可能性があるのです。そのタイミングが非常に難しく、指揮官は非常に強いストレスに苛まれる」(取材したM刑務官)

死刑の際、死刑囚が暴れるのを防止するため手錠をするのだが、通常使用時と絶対的に違う部分がある。それは後ろ手に手錠をすること。「後ろ手錠」と呼ばれる死刑独特の方法だ。

後ろ手錠は前手錠よりも暴れにくく両腕を拘束できるため利用されている。しかし上手く後ろ手錠をかけたとしても死刑囚が想像以上に暴れて刑務官が死刑囚の身体をおさえる際に死刑囚の肩が外れたり、筋をひねったりすることも多いという。

「だから後ろ手錠は拘束には便利だが身体を傷つけることが多いため、死刑の際にしか使用してはいけない決まりになっている」(M刑務官)

死刑囚が怪我をした場合、執行中止となることはないのだろうか――。

「死刑にするのだから、そのまま執行されます」(M刑務官)

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本記事では死刑の現場で任務にあたる刑務官の仕事について取り上げた。死刑制度は賛否両論があり、どちらの考え方が正しいという性格のものでもない。だからこそ、今一度「死刑」について深く考えるきっかけになるかもしれない。