長さ3倍トイレ紙、特許侵害せず 日本製紙側の請求棄却 東京地裁

AI要約

日本製紙クレシアと大王製紙の間で行われたトイレットペーパー特許侵害訴訟の判決が出された。裁判所は特許侵害を認めず、日本製紙クレシアの請求を棄却した。

日本製紙クレシアは長さ3倍のトイレットペーパーを販売しており、大王製紙は同様の製品を出しているとして特許侵害を主張。製品の製造差し止めを求めて裁判を起こした。

両社の主張は紙の表面の凹凸に関するもので、日本製紙クレシアは特許範囲内にあると主張し、大王製紙は異なると反論していた。

 従来品より3倍長いトイレットペーパーの特許権を侵害されたとして、日本製紙クレシアが大王製紙に製品の製造差し止めなどを求めた訴訟の判決が21日、東京地裁であった。

 柴田義明裁判長(高橋彩裁判長代読)は特許侵害を認めず、請求を棄却した。

 訴状などによると、日本製紙クレシアは従来の1ロール25メートルに比べ約2.5~4倍の長さのロール製造などに関する三つの特許を保有。2016年4月以降、「スコッティ」ブランドで長さ3倍のトイレットペーパーを販売している。

 大王製紙は、22年春から「エリエール」ブランドで長さ3.2倍のトイレットペーパーを販売。日本製紙クレシアは特許侵害に当たるとして、3種類の製品の製造差し止めなどを求めて同年9月に提訴した。

 日本製紙クレシアは紙の表面にある凹凸のうち、へこんだ部分の深さや面積が同社の特許で定めた範囲内にあるなどと主張。大王製紙は特許とは異なると反論していた。