「終戦の日」はなぜ8月15日なのか 「戦争が終わった日」は国によって異なる?

AI要約

8月15日は終戦の日で、昭和天皇が戦争終結を国民に伝えた日。しかし、海外では9月2日や9月3日を戦争終結の日として位置づけている。

各国では戦争終結を異なる日に記念しており、日本以外でも様々な記念日が存在する。

戦争終結を祝う日は国や歴史的背景によって異なり、それぞれの国が独自の取り組みを行っている。

「終戦の日」はなぜ8月15日なのか 「戦争が終わった日」は国によって異なる?

8月15日は「終戦の日」。日本では毎年、この日に追悼行事などが開かれるが、各国で戦争が終わった日は異なる。いったいどういうことか。

月15日とはいったいどんな日なのか、改めて歴史を振り返りたい。

1945年のこの日の正午、昭和天皇がラジオを通じ、国民に対して戦争に負けたことを告げた。「堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス」で知られる「玉音放送」だ。

玉音放送の中では、連合国側が日本に降伏を勧告し、戦後処理の方針を示した「ポツダム宣言」を受諾することも触れられた。

つまり、この日は当時の多くの日本国民が戦争終結を知らされた日と言える。

だが、海外では一般的に、9月2日を戦争終結の日と位置づけている。1945年のこの日、日本が降伏文書に署名したからだ。

降伏文書の調印式は東京湾に浮かぶアメリカの戦艦ミズーリ号上であった。日本からは政府代表の重光葵(まもる)・外務大臣と、軍代表の梅津美治郎・参謀総長が出席、文書に署名した。

アメリカなど多くの国がこの日を「対日戦勝記念日」(Victory over Japan Day=V-J Day)としている。

一方、中国では翌日の9月3日が戦勝記念日だ。2014年2月に全国人民代表大会(全人代)が決定し、毎年、この日に記念行事を行うと定めた。

ロシアは2010年、9月2日を「第二次世界大戦終結の日」としたが、2020年になって、ソ連時代に記念日とされてきた9月3日に戻した。

日本と同じ8月15日を採用する国もある。

イギリスはこの日を対日戦勝記念日としている。韓国はこの日を日本の植民地支配からの解放日とし、「光復節」として公式行事を開いている。北朝鮮もこの日を祝日としているが、光復節とは呼ばず、単に解放記念日としている。

日本の植民地だった台湾には、韓国と同じように「光復節」があるが、日付は10月25日だ。1945年のこの日、台湾における降伏受諾式典が開かれたからだという。