自民党の脱派閥、掛け声倒れ 安倍派や茂木派、いつ解散? 総裁選へ結集の動きも

AI要約

自民党派閥の裏金事件を受け、4月までに解散を決めた主要5派閥のうち安倍派、茂木派、二階派、岸田派がなお存続している。政治資金の清算に手間取り、岸田派以外は解散時期のめども立たない。

安倍派は1月に解散方針を決めたが、解散時期がはっきりしない状況。裏金事件の震源となった安倍派では事件関係者の公判も進行中。

9月の総裁選に向けて派閥単位で議員が集まる動きが目立ち、「脱派閥」が掛け声倒れになりかねない状況。

自民党の脱派閥、掛け声倒れ 安倍派や茂木派、いつ解散? 総裁選へ結集の動きも

 自民党派閥の裏金事件を受け、4月までに解散を決めた主要5派閥のうち安倍派、茂木派、二階派、岸田派がなお存続している。政治資金の清算に手間取り、岸田派以外は解散時期のめども立たない。9月の総裁選に向けて派閥単位で議員が集まる動きも目立つなど「脱派閥」が掛け声倒れになりかねない状況だ。

 安倍派は1月に解散方針を決めた。東京・平河町のビルに入る派閥の事務所には今も職員が常駐する。事務担当者は、解散時期について「はっきりしていない」と話す。

 裏金事件の震源となった安倍派。事件を巡る関係者の公判も進む。派閥など政治団体の解散には総務省への解散届と政治資金収支報告書の提出が義務付けられているが、ある関係者は「裁判費用も派閥の資金から出しているのでは。当分は解散できないはず」とみる。

 二階派と茂木派も時期が見通せない。二階派は事務所は閉じたが、政治資金の清算が終わっていないという。茂木派は「解散するかどうかも含め分からない」(関係者)と、解散が決まった4月の総会からトーンダウンしている。

 1月に最も早く解散を決めた岸田派は、当初の予定より1カ月遅い9月上旬に総務省へ解散届を出す見込みだ。6月に永田町の事務所を閉じ、内装工事も終えた。事務局員の社会保険の脱退手続きなどが済めば解散届を出せる状況という。

 派閥の残余金の扱いも解散へのハードルとなっている。5派閥のうち唯一、実際に解散した森山派は所属議員に分配する形を取った。岸田派の関係者は「対応は決まっていない」と明かす。

 9月に総裁選が迫る中、派閥単位で議員が会合を持つケースが増えている。岸田派の約20人は7月30日夜、議員宿舎に結集。前会長の岸田文雄首相の「再選を支える」と確認した。二階派や茂木派でも派閥議員がたびたび会合を開いている。

 これまでの総裁選では派閥単位で特定の候補者を推し、勝利すれば多くの大臣ポストを得られる面があった。このため、党内には総裁選を巡って、水面下で派閥の機能が強まるとの見方がくすぶる。ある重鎮は「総裁選といえば派閥。これからも作戦会議があちこちで持たれるはずだ」と見通した。