富士山の救助要請は1日1件ペース ヘリやブルドーザーでの搬送は県民の税金から支出 8月11日は山の日【静岡発】

AI要約

富士山の静岡側での山岳事故が増加しており、救助要請がほぼ1日に1件のペースで寄せられている。

要救助者は様々な年代・性別にわたり、費用は要救助者ではなく県民の税金から支出される。

静岡県警の山岳遭難救助隊は半世紀以上の歴史があり、命を落とした隊員はいないが、任務は常に危険で過酷なものである。

富士山の救助要請は1日1件ペース ヘリやブルドーザーでの搬送は県民の税金から支出 8月11日は山の日【静岡発】

8月10日で富士山の静岡側が開山からちょうど1カ月が経った。静岡県警の発表によれば、9日までに警察や消防へ寄せられた救助要請は27件で、ほぼ1日に1件のペースとなっている。

例年通り7月10日に静岡側が開山した富士山では2024年も救助要請が相次いでいて、静岡県警の発表によると8月9日までで27件28人に上る。

その内容は滑落や体調不良、ケガなど様々だが、中には「道に迷った」との通報があったことから警察が調べたところ、ルートから外れていないことがわかったため自力での下山を促したものの、「疲労困憊で不安」と訴えたため、山岳遭難救助隊が出動せざるを得ない事例もあった。

要救助者の内訳を年代別に見ていくと10代男性・2人、20代男性・1人、20代女性・2人、30代男性・1人、30代女性・1人、40代男性・3人、40代女性・2人、50代男性・2人、50代女性・2人、60代男性・4人、60代女性・1人、70代男性・6人、90代男性・1人となっていて、このうち4人が死亡している。

また、少なくとも8件でヘリコプターまたは民間のブルドーザーによる救助が行われたものの、その費用は要救助者が負担するわけではなく、県民の税金から支出される。

山岳事故をめぐっては、活動中にヘリコプターが墜落し隊員が死亡したことを受け、埼玉県が2017年に全国で初めて条例により救助の有料化に踏み切り、指定された山や地域において防災ヘリで救助を受けた場合、燃料費に相当する手数料としてフライト時間5分につき8000円を徴収しているが、静岡県には有料化に関する条例がないからだ。

静岡県警では山岳事故に対応するため、地域課、警備課航空隊のほか、主に富士山を管轄する御殿場署・富士宮署・裾野署、主に南アルプスを管轄する静岡中央署のメンバーで山岳遭難救助隊を編成し、日々訓練に励んでいる。

救助隊の発足から半世紀以上となるが、卓越した登山技術と専門的な知識により、これまで救助活動中に命を落とした隊員はいない。

ただ、その任務は常に危険かつ過酷で、時には1日に複数回救助に向かう日もあるという。