ナガエツルノゲイトウ 福島県の水田で初確認 〝地球上で最悪の侵略的植物〟

AI要約

福島県で初めてナガエツルノゲイトウが確認され、特殊報が出された。

南米原産の雑草で、断片から再生して繁殖するため拡散が懸念されている。

発生地では機械作業や稲の生育を阻害し、防除や取り組みが必要とされている。

ナガエツルノゲイトウ 福島県の水田で初確認 〝地球上で最悪の侵略的植物〟

 旺盛な繁殖力で“地球上で最悪の侵略的植物”とも称される雑草のナガエツルノゲイトウが、県内の水田で初めて確認されたとして、福島県病害虫防除所は8日、特殊報を出した。雑草の特殊報は全国初。これまで茨城県以西で確認されており、米どころの東北にも侵入した格好だ。同防除所は水田や水路を点検するよう農家に呼びかける。

 いわき市の水田で確認した。同雑草は南米原産で、茎の再生力が強く、数センチの断片から発根して増殖する。茎は細かく切れて、用水などで運ばれるため拡散しやすく、25都府県で確認されていた。同防除所は、発生が疑われる場合は速やかに農林事務所などに連絡するよう求める。

 繁茂すると稲の生育や機械作業、用水の流れなどを阻害する。発生地では水口にネットを設置するなどで、茎断片が田に流入しないようにする。機械の洗浄徹底も求める。草刈りは茎断片が飛び散りやすいため、除草剤を中心とした防除を勧める。水路の防除は地域単位で取り組み、人力か重機を使った抜き取りなどを求める。

 昨年4月施行の改正植物防疫法では、雑草を侵入やまん延、定着防止に向けた公的な取り組みの対象となる有害植物に位置付けた。各県は初確認の場合の特殊報などが出せるようになった。