ラーメン店の倒産 過去最多のペース 1杯『1000円の壁』も 客を離れさせない挑戦つづく

AI要約

ラーメン店の倒産が増加しており、1000円の壁が立ちはだかっている

多くの人が1000円以下のラーメンを求めており、支払いが大きなポイントとなっている

原材料費の高騰などが原因で、1000円以上の価格設定が必要な時代に突入している

ラーメン店の倒産 過去最多のペース 1杯『1000円の壁』も 客を離れさせない挑戦つづく

皆さんは、店で食べるラーメン1杯にいくらまでなら出せますか?

実はいま、「ラーメン店の倒産」が過去最多のペースで増えています。立ちはだかっているのは、「1000円の壁」です。

ゆでた麺をさらにせいろで蒸した、自慢のつけそば。値段は、1000円です。

ことし4月、名古屋市中川区にオープンした「麺はやし」。製麺所の直営で、その強みを生かし、5種類のラーメンは全て違う種類の麺を使っています。

看板メニューは、つけそば。その味は…

(畑中大樹記者)

「麺がもちもちで歯ごたえもある。極太麺なので麺のうまみが感じられます」

この店のラーメン、値段は全て1000円以上です。一方、名古屋の街でお店のラーメン1杯にいくら出せるのかを聞いてみると…

(10代の高校3年生)

「やっぱり1000円以下。1000円超えると、友達と『どうする?』みたいな」

(80代)

「700円超えたらやめる。他のものを食べる」

支払いが「千円札」1枚で収まるのかどうかが大きなポイントとなっているようです。

■今は“やめていく店”の方が多い

(林製麺所 平野陽八 営業部長)

「1杯1000円という壁があって、そこを越えるのに皆さんちゅうちょしている。その1000円の壁を越えていこうと、先んじて製麺所としてやっていこうと」

帝国データバンクによりますと、ラーメン店を営む会社が倒産した件数は、ことしの7月までで49件。すでに去年1年間の53件に迫り、年間でも過去最多となる見通しです。

(林製麺所 平野陽八 営業部長)

「ことしに入ってから閉店、やめる人が増えている実感はある。今まではやめていく店とオープンする店の数が同じだったが、今はやめていく店の方が多いのが現状」

ラーメン店でいま、何が起きているのでしょうか。

■1000円以上でないとやっていけない時代

一つは、原材料費の高騰です。帝国データバンクによりますと、例えば、豚肉や背脂の値段が去年から2割ほど上昇。麺やのり、メンマも不作や円安の影響で高騰しています。

その結果、ラーメン1杯の原価は2年前と比べて、13%以上も上がりました。そのほか、光熱費や人件費もあがり、さらに…

(林製麺所 平野陽八営業部長)

「最近だと、新紙幣で券売機を替えなければいけなくなったり、ついに1000円超えないとやっていけない時代に突入したのかなと」

街の人は…

(40代)

「1000円くらい払ってもいいかな。手間もかかっているし、500円で食べられる店をテレビで見たことがあるが『もっと取ってもいいのに』と思う」

(10代の大学生)

「(ラーメンに払えるのは)1200円くらい。東京で食べたときに高いラーメンが1200円だったので、そこまでなら」

ラーメン1杯1000円が当たり前の時代に…客を離れさせない、「味への挑戦」も続きます。