深刻な「従業員へのセクハラ問題」企業で対策進む "声かけ"男性が「出禁解除」求め提訴も

AI要約

小売やサービス業におけるカスハラが問題視される中で、従業員が客からの「セクハラ行為」に苦しめられている状況が明らかになってきた。

接客中に卑猥な言葉を投げかけられたり、従業員の名札に記載された情報からメールアドレスを探り当てて連絡を送りつけられたりするなど、精神的な苦痛を感じるケースが生じているという。

専門家は、「セクハラ」が重大な性犯罪事件に繋がる危険性を指摘する。企業側は従業員を守る姿勢を明確にするとともに、あまりに悪質な場合は警察や弁護士などに頼るべきと強調した。

これらは、産業別労働組合UAゼンセンが6月5日に公表したカスハラの実態調査(2024年1月~3月実施)に寄せられた声だ。この調査では「最も印象に残っている顧客からの迷惑行為」として、セクハラ行為と答えた人が573人(3.7%)にのぼり、前回2020年調査の350人(2.3%)から1.4ポイント増加する結果となった。

弁護士ドットコムの法律相談にも、男性客からのセクハラ行為に「本当に気持ちが悪く、精神的にもつらい」と悩む女性従業員の話が寄せられている。

先日、ある裁判の判決があった。

行きつけだったファーストフードチェーンの店舗から「出禁」とされたと主張する東京都在住の男性が、入店許可を求めて裁判を起こし、却下されたのだ。

深刻な「従業員へのセクハラ問題」企業で対策進む 

小売やサービス業におけるカスハラが問題視される中で、従業員が客からの「セクハラ行為」に苦しめられている状況が明らかになってきた。

接客中に卑猥な言葉を投げかけられたり、従業員の名札に記載された情報からメールアドレスを探り当てて連絡を送りつけられたりするなど、精神的な苦痛を感じるケースが生じているという。

専門家は、「セクハラ」が重大な性犯罪事件に繋がる危険性を指摘する。企業側は従業員を守る姿勢を明確にするとともに、あまりに悪質な場合は警察や弁護士などに頼るべきと強調した。(弁護士ドットコムニュース編集部・塚田賢慎)

「勝手に写真を撮られたり、テーブルに行く度に腕を触られたり、常連さんだと思って話しかけたら腰に手を回されたりした」

「名前からメールアドレスを特定し、何件もメールを送られた。電話をしてきても毎回指名で、かつ1回の電話が長い」

これらは、産業別労働組合UAゼンセンが6月5日に公表したカスハラの実態調査(2024年1月~3月実施)に寄せられた声だ。この調査では「最も印象に残っている顧客からの迷惑行為」として、セクハラ行為と答えた人が573人(3.7%)にのぼり、前回2020年調査の350人(2.3%)から1.4ポイント増加する結果となった。

弁護士ドットコムの法律相談にも、男性客からのセクハラ行為に「本当に気持ちが悪く、精神的にもつらい」と悩む女性従業員の話が寄せられている。

男性客はレジで対応する従業員らの尻や胸を指して「触っちゃおうかな」と言って来るという。また、本名を知られたくないと考え、名札の姓を偽名に変えたところ、「結婚したの?」と私生活の情報にまで踏み込まれたそうだ。

先日、ある裁判の判決があった。

行きつけだったファーストフードチェーンの店舗から「出禁」とされたと主張する東京都在住の男性が、入店許可を求めて裁判を起こし、却下されたのだ。

判決文などによると、男性は「こんにちは」と声をかけただけで入店拒否されるのは違憲・違法であるなどと主張したが、5月の東京地裁判決は訴えを却下した。