外国人労働者を「牛か馬のように扱って」《都合よく搾取するだけ》の日本人…いま「北関東・移民ベルト」で起きている《衝撃の実態》

AI要約

茨城県稲敷市での「中国系オーナー」企業による大規模買収と、その背景にある消滅可能性自治体の問題。

北関東地域における外国人労働者の急増と、それに伴う犯罪率の上昇。日本の労働環境の現状と課題。

不法滞在者が日本の農業・工業を支える一方、労働者に対する意識や待遇の問題。日本社会における外国人労働者の実態と課題。

外国人労働者を「牛か馬のように扱って」《都合よく搾取するだけ》の日本人…いま「北関東・移民ベルト」で起きている《衝撃の実態》

異国の人々との共存、異文化との共生。令和の今、そうした言葉は抽象的な「お題目」ではなく身近な「日常」になった。その最前線では、かつてない異変と摩擦が生じている。現地取材でしか見えない驚くべき現実とは。

じつは、本特集企画の第一章〈【衝撃ルポ】茨城・成田空港近くのニュータウン200区画を「中国系オーナー」企業が丸ごと買収…いったい何が起きているのか〉で紹介した茨城県稲敷市は、いわゆる「消滅可能性自治体」だ。住民のひとりが言う。

「鉄道が通っていない稲敷は、いわば陸の孤島。新しく人や企業が入ってくることも少なく、発展の見込みも薄い。そうした地域だからこそ、街が丸ごと外国の人に買われるという事態が起きたのだと思います」

茨城県には、他にも坂東市や神栖市などの鉄道駅をもたない自治体がある。また今年4月、人口戦略会議が公表した最新の推計では、茨城県で17、群馬県で20の自治体が消滅可能性自治体に分類された。これらの街でも今後、稲敷と同様の事態が起きるかもしれない。

注目すべきは、茨城や群馬では近年、犯罪率が急上昇しているということだ。全国の水準で見ると、外国人の犯罪は近年大きく減っているが、北関東の住民には、外国人の急増が地元の犯罪率上昇と関連していると考える人も少なくない。北関東で東南アジア系労働者に仕事をあっせんしている人材派遣業者が言う。

「もちろん大多数の外国人労働者は、まじめに働いて倹しく暮らしています。ただ、最近は県内でも、金属の価格高騰を背景に、ソーラー発電施設の部品や銅線、蛇口などを盗んで検挙される外国人が目につくのも事実。

擁護したいわけではありませんが、彼らの窮状を見ると、犯罪に手を染めざるを得ない事情があるのだろうとも思います」

いまや、外国人の労働力は日本の産業・農業に欠かすことができない。だが、それにもかかわらず国も世の中も、彼らの労働環境を整え、改善することには後ろ向きなままだ。エコノミストの田代秀敏氏が指摘する。

「すでに、外国人労働者がいなければ日本経済は機能停止してしまう状況です。しかし日本政府は彼らを『移民』として認めず、『あくまで一時的な労働力』と定義し、都合よく搾取しているのです。

移民ではない以上、『技能実習生』や『特定技能1号』の人々は、日本で必死で働いても永住権や日本国籍を取得できません。日本人が、日本で長く働きたがっている外国人と向き合うことを拒んでいるのですから、不法滞在者が増えるのは当たり前のことです」

北関東の各所では、すでに不法滞在者が工業・農業の基盤を支えている。実態に制度が追いついていないのだ。

「実際問題として、首都圏の人が口にするキャベツや白菜などの農作物は、少なからず東南アジア系不法滞在者が収穫したものです。

茨城の一部の自治体では、やけに不法滞在者の取り締まりが緩いと言われているのですが、『本気で取り締まると農家が潰れるから、警察も見て見ぬふりをしている』とも噂されている。日本人が少ない地域で、日本人がやらない仕事を、外国人が肩代わりしている側面があるのです」(前出・人材派遣業者)

彼らを雇う経営者の意識にも問題が多い。特に日本の中小企業や農家には、「外国人をまるで牛や馬のように扱い、低賃金で働かせる事業者もいる」(常総市内の農家)。そうした環境でボロボロになり、「ぐれる」外国人労働者は後を絶たない。

関東近郊には、外国人住民が人口の多数を占めるようになった街もすでに存在する。そうした都市郊外では何が起きているのか? 【埼玉、茨城、群馬…日本人と外国人がともに住む街が突きつける「近未来の日本」の厳しすぎる現実】につづく。