自閉症のあなたと家族、楽しめるように レゴランドが取り組む支援

AI要約

レゴランド・ジャパンが自閉スペクトラム症の来園者に配慮した取り組みを開始

従業員のトレーニングや感覚ガイドの設置など様々な支援を実施

施設内の環境改善やサポート体制強化により、全来園者が楽しい1日を過ごせるように

自閉症のあなたと家族、楽しめるように レゴランドが取り組む支援

 発達障害の一つ「自閉スペクトラム症」などの来園者に配慮する取り組みが、テーマパーク「レゴランド・ジャパン」(名古屋市港区)で今月から本格的に始まった。従業員の9割超が特別なトレーニングを受け、園内のアトラクションに刺激の目安を示す「感覚ガイド」を設けた。運営会社は「すべての来園者が、一生の思い出に残る大切な1日を過ごしてほしい」という。

 米国の認定機関から5月初め、日本のテーマパーク初の「認定自閉症センター」の認証を受けた。対人関係の困難さやこだわりの強さなど自閉スペクトラム症の来園者とその家族をサポートし、過ごしやすい場所であると認められた施設に対する認証資格だ。

 多種多様な障害のある人をより適切に支援するため、来園者に接する従業員は特別なトレーニングを受講し、80%以上が認定試験に合格する必要がある。

 「レゴランド・ジャパン」では、来園者の対応にあたる従業員のうち815人、93%が基準をクリアし、自閉スペクトラム症や感覚過敏症への適切な支援を実践することができるという。

 すでに導入している取り組みとして、アトラクションを待つ列に長時間並ぶことが難しい来園者には、待ち時間分を列から離れて過ごせる「アシスト・アクセス・パス」を発行している。

 今後は、施設内に各アトラクションから受ける「感触」「味」「音」「視覚」「におい」の刺激の強さを11段階で示す「感覚ガイド」を設置し、照明の明るさや音の大きさなどの指標を示すことにより、ニーズにあった行動計画を立てやすくするという。

 また、希望者には、音や過度の刺激を抑えるイヤーマフを貸し出すほか、感受性の強い来園者が刺激の少ない環境で過ごせるような休憩スペースを新設する。

 運営するレゴランド・ジャパン合同会社の本多良行社長は「自閉スペクトラム症の来園者とその家族が心から楽しんでもらえる空間を創出していきたい」とコメントしている。(松永佳伸)