ウクライナ支援、加速へ調整 年内実施、対ロシア結束焦点 G7開幕へ

AI要約

先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議がブラジル・リオデジャネイロで開催され、ロシアの凍結資産を活用したウクライナ支援について調整が行われる。G7各国の一致した姿勢が焦点となっている。

日本からは鈴木俊一財務相が出席し、日本の支援がJICAによる円借款で行われる方針。返済原資の確保と支出の軍事面利用防止が課題となっている。

G7が政治問題や欧州各国の内政事情に影響を受けながら、デジタル課税やAIの経済影響などについても議論を行う予定。

 【リオデジャネイロ時事】先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が24日夕(日本時間25日早朝)、ブラジル・リオデジャネイロで開かれる。

 ロシアの凍結資産を活用したウクライナへの支援を巡り、年内実施へ各国の拠出額などの調整を進める見通し。ロシアがウクライナへの攻勢を強める中、国内で政治課題を抱えるG7各国が対ロシアで一致した姿勢を示せるかが焦点だ。

 日本からは鈴木俊一財務相が出席する。

 6月にイタリアで行われたG7首脳会議(サミット)では、ウクライナの軍事面や財政面の支援のため、500億ドル(約7兆8000億円)の融資を行うことで合意。返済原資にはロシアの凍結資産の運用益を充てることを確認した。

 日本は国際協力機構(JICA)による円借款で対応する方針。日本は支出分が軍事面に使われないという拠出条件を、どのように担保していくかが課題となる。将来にわたって返済原資を確保していけるのかも各国の関心事項だ。

 議論に影を落としそうなのが、G7各国が国内で抱える政治問題。ウクライナの最大の支援国である米国では、11月の大統領選からバイデン大統領が撤退し、支援に消極的なトランプ前大統領が返り咲く可能性が高いとの見方がある。

 また、英国では7月に政権が交代。その他の欧州各国でも極右や右派の台頭で、欧州連合(EU)内での合意形成が今後難航する事態も懸念され、G7が一枚岩になれるかが問われそうだ。

 会議ではこのほか、巨大IT企業などを対象とした「デジタル課税」など国際課税や、議長国イタリアが重視する人工知能(AI)が経済にもたらす影響などについても議論する見通しだ。

 25日午前(日本時間同日夜)には、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議も2日間の日程で開幕する。