奈良公園の鹿、3年連続増の1300頭台「喜ぶ声もあるが…」

AI要約

奈良公園内の鹿の頭数が3年連続で増加しており、1325頭になったことが発表された

昨年から92頭増え、15、16両日に調査した結果、オス313頭、メス798頭、子鹿214頭が確認された

交通事故による死亡は前年比14頭減少し、公園内の高密度化による人とのトラブルを避けるための対策が必要とされている

奈良公園の鹿、3年連続増の1300頭台「喜ぶ声もあるが…」

 奈良の鹿愛護会は、奈良公園内に生息する鹿は1325頭で、昨年より92頭増えたと発表した。増加は3年連続で、1300頭台になったのは5年ぶり。

 15、16両日に調査した。内訳は、オス313頭、メス798頭、子鹿214頭。

 昨年7月から今年6月末までに死んだのは130頭(前年比14頭減)。うち29頭は交通事故が原因だった。事故の件数は64件で前年と同数で、死亡は6頭減った。

 奈良公園の鹿の生態に詳しい立沢史郎・北海道大特任助教は「コロナ禍で減った頭数が回復している。喜ぶ声もあるが、急増する観光客によるえさやりが公園平坦(へいたん)部の高密度化を加速させている。人とのトラブルが増えないように対策が必要だ」と指摘する。

 なお、「愛護会」施設の鹿苑で保護されている鹿は268頭で、前年より18頭減った。山崎伸幸事務局長は「引き取りの頭数が減っているため」と説明している。(机美鈴)