「怖くて自転車に乗れない!」病院が嫌いすぎる夫を襲った恐怖の症状。彼に受診を決意させた“ある日のできごと”とは
直美さんの夫である誠さんは好酸球性副鼻腔炎と診断され、慢性的な鼻の炎症に悩まされていた。
誠さんは医者嫌いであり、かつては帯状疱疹のためにしか医者に行ったことがなかった。
しかし、鼻の異常が軽減できる可能性を知った誠さんは、治療に前向きになり始めた。
50歳の女性は、医者嫌いの夫(会社員・56歳)に困り果てていた。鼻の持病が悪化しているのに、何かと難くせをつけて耳鼻科に通おうとしないからだ。
しかし、あることをきっかけに、夫は治療に前のめりになる。夫の気持ちを変えることになったまさかの出来事とは――。
■鼻腔に細菌が増殖して起こる病気
女性の名前を山口直美さん(仮名)、夫の名前を誠さん(仮名)としよう。直美さんによれば、誠さんは今から5年ほど前に「好酸球性副鼻腔炎」と診断された。
副鼻腔炎は鼻の穴の周囲に広がる大小の空洞(副鼻腔)に、炎症をきっかけに細菌が増殖して膿(うみ)が溜まり、鼻水が出たり鼻づまりが起こったりする病気だ。
膿が残ったまま、症状を繰り返している状態を慢性副鼻腔炎という。
好酸球性副鼻腔炎は、両側の鼻の中に鼻茸(はなたけ:鼻の粘膜が炎症を起こすことによって放出された物質が、粘膜の腫れを促す細胞を活性化してできる、やわらかい塊)がたくさんできたり、手術をしても再発しやすかったりする難治性の慢性副鼻腔炎。治療法が確立されていないため、“国の指定難病”となっている。
実は誠さんの鼻の異常は、診断される10年ほど前からあったという。
「結婚して10年ほど経ってからでしょうか。あるときから鼻水が止まらなくなりました。気がついたら始終、ティッシュで鼻をかむようになったのです」(直美さん)
■「鼻荒れ」予防に高級ティッシュ
やがて「鼻が荒れちゃう」と、かみ心地のいい高級ティッシュを使うように。ただ、耳鼻科を受診するようすすめても、断固として行かなかった。
実は誠さんは昔から大の医者嫌いなのだ。
「風邪ぐらいでは基本、医者にかかりません。結婚して20年ほどですが、医者にかかったのは帯状疱疹のときくらいだったと思います」と直美さん。帯状疱疹のときは、目の周りにひどい水ぶくれができた。
そのときは「お岩さんのようになってしまい、このままでは会社に行けないということで受診したのです」と言う。
会社の健康診断ではピロリ菌に引っかかり、除菌をすすめられているが、放置している。50代以降の男性にすすめられている「前立腺がん検査」も受けていない。