能登施設6割弱が宿泊再開できず 観光復興は不透明、一般客は1割

AI要約

能登半島地震で被害を受けた石川県6市町の宿泊施設の58%が宿泊客受け入れ再開できていない。

復旧が進んでいないため、再開できた施設も復旧関連の業者や支援者の宿泊拠点となっており、一般客受け入れはほぼできていない。

観光施設の営業再開は増えてきたが、住民の暮らしに直結する復旧作業が進んでおらず、観光業の本格復興には時間がかかりそうだ。

 能登半島地震で大きな被害を受けた石川県6市町にある宿泊施設のうち、58%が6月下旬時点で宿泊客受け入れを再開できていないことが20日、県への取材で分かった。施設被害が大きく、復旧が進んでいないため。再開できた施設も復旧関連の業者や支援者らの宿泊拠点となっているケースが多く、一般客受け入れは約1割にとどまる。

 被災地では、20日に再開した七尾市の「のとじま水族館」など観光施設の営業再開も増えてきたが、家屋の公費解体やインフラ修復といった住民の暮らしに直結する復旧作業が途上の段階で、観光業の本格復興までは見通せない。

 県によると、6市町のホテルや旅館、民宿など314施設のうち183施設が宿泊客を受け入れていない。再開した131施設のうち99施設は受け入れを支援者や業者に限定し、一般客は泊まれない。

 七尾市の和倉温泉では海沿いの旅館の被害が大きい。港の護岸の損壊も影響し、復旧が進んでいない。和倉温泉旅館協同組合によると、加盟21施設のうち一般客の宿泊再開は2施設のみ。約半数は復興事業者を受け入れている。