和歌山の「すさみ串本道路」 来春の開通延期へ 硬質岩多数見つかる

AI要約
和歌山県のすさみ串本道路における硬質岩の問題により、開通予定が見直される可能性がある通常の掘削機では対応できない硬質岩が多数見つかり、工事に通常の5倍の時間がかかっている地盤のひび割れも発生し、安全対策が必要とされている
和歌山の「すさみ串本道路」 来春の開通延期へ 硬質岩多数見つかる

「紀伊半島一周高速道路」を構成する和歌山県の「すさみ串本道路」について、国土交通省近畿地方整備局は19日、来年春の開通予定を「見直す必要がある」と、県庁で開かれた県などとの事業工程会議で報告した。通常の掘削機では対応できない硬質岩が多数見つかり、掘削に通常の5倍の時間がかかっており、開通延期が見込まれるという。

すさみ串本道路は同県の串本町サンゴ台-すさみ町江住間19・2キロで、平成26年度に事業化された。2車線(片側1車線)道路で、事業費は710億円を見込む。すさみ町側で紀勢自動車道と接続し、串本町側では建設中の「串本太地道路」や今秋開通予定の「新宮紀宝道路」などとつながり、「紀伊半島一周高速道路」のネットワークを構成する予定となっている。

同整備局によると、来年春の開通予定だったが、今年4月中旬、串本町で建設中の安指川(あざしがわ)橋(仮称)のくい打ち作業で、通常の掘削機では対応できない硬質岩を多数確認。6月に有識者に意見を求めたところ「現在の工法で丁寧に施工を進めるのが妥当」とされた。

掘削機の大型化などの対策をとったが、通常に比べて平均約5倍の時間がかかっており、開通時期の見直しが必要となったという。開通時期は今後の工事の進行を踏まえて精査する。

また会議では、すさみ町で建設している同道路の小河瀬谷川(おがわせたにかわ)橋で今月9日、橋台の基礎掘削作業中に地盤のひび割れが確認されたことも報告。同整備局は有識者の調査の結果を踏まえ、「ボーリング調査などでひび割れの範囲を早急に特定し、対策工法を検討する」としている。

岸本周平知事は「やむをえないと考える」と理解を示す一方で「安全に工事を進めていただき、進捗(しんちょく)状況など情報共有はもとより、新たな開通予定時期をできるだけ早く提示し、一日も早い開通を」と要請した。