【ドラマ化】「依頼者も弁護士も不幸になる」SNSで“無理筋な情報開示請求”をしまくる有名人の目的とは《激変するネット中傷訴訟の10年》

AI要約

マンガ『しょせん他人事ですから』がドラマ化される。弁護士の仕事を描いた作品で、ネットトラブルに特化しているため話題となっている。

弁護士・清水陽平氏のインタビュー記事が再公開され、ネット中傷や炎上に関する15年前と現在の状況について語られている。

2008年頃はmixiや2ちゃんねるが主要なSNSであり、誹謗中傷や炎上に関する相談が多かった。当時はSNSの普及率は低く、スマホも一般的ではなかった。

【ドラマ化】「依頼者も弁護士も不幸になる」SNSで“無理筋な情報開示請求”をしまくる有名人の目的とは《激変するネット中傷訴訟の10年》

〈【ドラマ化】《傷ついた心の値段は?》加害男性がテラハ木村花さんに支払った「リアルな金額」とネット中傷裁判にかかる「相当な期間」〉 から続く

 白泉社『黒蜜』で連載中のマンガ『しょせん他人事(ひとごと)ですから~とある弁護士の本音の仕事~』がドラマ化され、7月19日からテレビ東京系で放送がスタートする(毎週金曜20:00~)。

 主人公の弁護士・保田理は中島健人、保田の事務所に勤めるパラリーガルは白石聖、ドラマオリジナルキャラクターの喫茶店主・柏原麻帆を片平なぎさが演じる。〈炎上〉〈誹謗中傷〉〈情報開示請求〉などネットトラブルに特化したドラマとして「テーマが身近すぎる」「実際に起こりそう」と早くも話題だ。

『しょせん他人事ですから』をより楽しむために、主人公のモデルであり、マンガ監修を担当する弁護士・清水陽平氏のインタビュー記事を再公開する(初出2022年8月29日、単行本巻数、発行部数は最新のものに変更。肩書き、年齢等は当時のまま)。

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 現在は「SNS依存」「SNS中毒」という言葉が当然のように使われている。だが、10年前の世界は、日々ここまでSNSに浸ってはいなかった。マンガ 『しょせん他人事(ひとごと)ですから』 (白泉社)を監修する弁護士・清水陽平氏は、約15年前からインターネットの誹謗中傷に関わっている。

 当時と今、ネットと人の関わりはどう移り変わったのか。(全3回の3回目/ 1回目 を読む)

――清水さんがネットの誹謗中傷、炎上案件に関わり始めたのは、2008年頃からだそうですね。当時はどんな相談が多かったですか。

清水 2008年頃は、SNSといえばmixiくらいでした。TwitterやFacebookはその年に日本上陸していますが、まだ流行ってはいなかったので。

 ですから、2ちゃんねる関連の相談が多かったです。「2ちゃんで中傷された」「個人名を晒された」などですね。

――2ちゃんねるはよく燃えてましたね。

清水 当時は《炎上》という言葉自体がなかったと思います。2ちゃんねるでは、炎上ではなく《祭り》と言っていました。

――あ。言われてみればそうでしたね。

清水 それに当時は、携帯といえばガラケー。iPhoneが出始めた頃で、スマホユーザーはごくわずかでした。世の中全体としては「ネットというものがあるよね」ぐらいで、使わない人はまったく使わないものだったと思います。