「あなたは勉強はできるけど、社会ではやっていけない」…阪大卒の発達障害当事者が同僚から言われた「ヤバすぎる一言」

AI要約

高学歴の発達障害当事者が周囲の理解を得にくい中で悩み苦しんでいることが紹介されている。

大学卒業後の就職活動で高学歴の発達障害当事者が苦労する様子が描かれている。

就活テクニックと発達障害の特性が合わないことが、就活でつまづく要因として示唆されている。

「あなたは勉強はできるけど、社会ではやっていけない」…阪大卒の発達障害当事者が同僚から言われた「ヤバすぎる一言」

ここ数年で急激に「発達障害」という言葉が日本社会に浸透したが、一般的に「人生勝ち組」のイメージをもたれがちな「高学歴」な人々の中にも、この「発達障害」の人々は存在する。国公立大学や、早慶卒、難関私立大卒であることも珍しくない。高学歴の発達障害当事者たちは、「高学歴」ゆえのエリートイメージがあるばかりに、周囲の理解が得られにくく、悩み苦しんでいる。『ルポ 高学歴発達障害』(ちくま新書)では、自身も発達障害当事者である著者が、彼らの体験談を紹介している。大阪大学外国語学部卒業の村上優子さん(30歳・仮名)もその一人だ。

村上優子さんは大阪大学を卒業し、現在は某通信会社で障害者雇用の契約社員として働いている。小さい頃から成績は良かったが、勉強するのが好きだからというより父親から怒られたくないため、褒めてもらうためにそうしていたという。

幼い頃から忘れ物が多かったりガールズトークになじめなかったりと、ADHD・ASDの傾向が出ていた。大学生活はうまくやれていたが、他の高学歴発達障害当事者と同様、村上さんも就職活動で苦労することになる。広告代理店で企画営業の職に就きたいと考えていた彼女は大手から順に受けていった。

しかし、面接で緊張してまったく話せなかったり、事前に考えていた回答が飛んでしまうときもあった。また、予期せぬ質問がくるとうまく答えられなかった。

就活は自分をよりよくアピールしないといけなかったり、ときには本音と建前を使い分けなければならないことがある。取材してきた当事者のほとんどが就活でつまずいていることからも、こうした就活テクニックと発達障害の特性は非常に相性が悪いのだと考えられる。

「周りの子たちは阪大というネームバリューからトントン拍子で内定が出ている中、
自分だけ夏頃までずっと就活を続けていて。それプラス卒論の準備もあったので、両立ができなくて大変でした。いわゆるマルチタスクができなかったんです。結局内定が出たのは中小の印刷関係の会社でした」