島サミット閉幕、島嶼国と法の支配共有 防衛協力や海保機関との交流拡大

AI要約

第10回「太平洋・島サミット」が閉幕し、首脳宣言と共同行動計画が発表された。宣言では中国の影響力強化に対抗し、武力行使や威嚇に反対する姿勢を明確にした。

処理水の放出に関しては国際原子力機関の報告書を引用し、科学的根拠に基づく重要性を強調。「太平洋気候強靱化イニシアチブ」の協力や人的交流の拡大も計画された。

共同行動計画には自衛隊や海上保安機関との防衛協力が盛り込まれ、日本と太平洋島嶼国の共通価値や原則に基づく協力が強調された。

島サミット閉幕、島嶼国と法の支配共有 防衛協力や海保機関との交流拡大

政府が計18の太平洋島嶼国・地域の首脳らを招き、島国としての共通課題を議論する第10回「太平洋・島サミット」は18日、首脳宣言と共同行動計画を発表し、閉幕した。首脳宣言では自由、民主主義といった共通の価値や、ルールに基づく自由で開かれた国際秩序の重要性を確認。地域で影響力を強める中国を念頭に「世界のいかなる場所でも武力による威嚇、武力の行使、威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対する」と明記した。

東京電力福島第1原子力発電所の処理水に関しては、国際原子力機関(IAEA)を「原子力安全に関する権威」と位置付け、放出が国際安全基準に合致しているとしたIAEA報告書に言及。「科学的根拠に基づくことの重要性で一致した」と記した。

今後3年で7つの重点協力分野を設定し、日本が6500人以上の人的交流、人材育成の協力を行う方針を示した。島嶼国が重視する気候変動対策で、防災を柱とする「太平洋気候強靱化イニシアチブ」に基づく協力を進めるとした。

共同行動計画には、自衛隊の航空機や艦船の寄港を通じた防衛協力や海上保安機関の交流強化も盛り込んだ。

岸田文雄首相は共同記者発表で「日本と太平洋島嶼国・地域は法の支配、民主主義、力による一方的な現状変更の試みへの反対といった価値・原則を共有している」と強調。共同議長を務めたクック諸島のブラウン首相は首脳宣言を「私たちの共有する優先事項とコミットメントを反映したものだ」と評価し、日本との協力について「次のステージへと高みに至りたい」と語った。