環境相「国に責任ある」新潟水俣病の被害拡大巡り、患者と懇談後言及

AI要約

環境相は新潟水俣病の発生について、原因企業だけでなく国も責任があると述べた。

新潟市での患者との懇談後、国が早めの対応をすれば訴訟は起こらなかった可能性を指摘。

被害者救済については実務者協議の議題になる見込み。

環境相「国に責任ある」新潟水俣病の被害拡大巡り、患者と懇談後言及

 伊藤信太郎環境相は18日、水俣病が1956年に熊本県で公式確認されてから9年後に新潟水俣病が確認された経緯について、「原因企業に責任があるが、同時に国に責任があると思う」と述べた。新潟水俣病を巡って国は、未認定患者らが国などを相手に損害賠償を求めた訴訟でその責任を否定している。発言後、環境省の担当者は伊藤氏の真意として「法的責任を認めたわけではなく、環境省として何をすべきか、という責任についての言及だった」と説明した。

 この日、新潟市内で新潟水俣病患者らとの懇談があり、終了後、報道陣の取材に応じた際に語った。新潟水俣病は「第2の水俣病」と言われる。懇談の場で患者側から「熊本の水俣病から9年の間に国として早く気づいて何かしらの手を打っていれば、我々は裁判することはなかった」との声が上がった。これについての認識を報道陣に問われ、伊藤氏は「もう少し早く初動がとれれば、こういう広がりはなかったのではないか」とも話した。

 取材の場で伊藤氏は、責任の内容について「広い意味での責任」としつつ、被害者の救済については8月にも始まる実務者協議の議題になると説明した。(井上充昌)